第56話崖下の出来事
私は2人と別れてカルちゃんのレベル上げをする事にした。
ある程度の成長の目処が立ったのでのんびり2層の世界を見ながら皆とのんびり成長しようかと思う。
なのでメインパーティはハクちゃんクロちゃん、イサちゃんとネマちゃん、今回のメインであるカルちゃん。
私の場合自分のレベルは上がらないがその経験値が黒巫女と召喚士に分配されるようだ。
ほっとしたのは言うまでも無い。
そして今回来たのは景色が良い所だ。
崖になっておりここまで来るのしそこそこ歩いた。
その際にモンスターと会ったがカルちゃんに1度攻撃をさせてハクちゃんのバフとクロちゃんのデバフを使ってネマちゃんの火力と私の妖術で倒す方法を取った。
その結果防御よりも攻撃を優先させたのでイサちゃんの経験値がなかなか貯まらない事に陥った。
イサちゃんと相談して最初に【挑発】を使って貰う事にした。
「風が心地いね〜」
崖から見える夕日もなかなかにマッチしている。
リアルでは午後の8時くらいだろうか?既に晩御飯も食べているし夜限定のモンスターも居るようなので色々と探してみよう。
「告知?」
運営からのメッセージメールが来て、皆で読む事にした。
「なになにイベント案内PVを明日の午前10時に公開⋯⋯か」
これは家は荒れるな。前回と違ってプレイヤー全体に配布されるようだ。
イベント参加の為にもレベルは出来るだけ上げておこう!
なかなかに私も
さて、国の外だと普通に地図が使えて迷う事は無いので崖の下に行こうと思う。
崖の下を見ると何も無いのだが桃ちゃんや柑ちゃんの昔の話でこう言う場面はアンデット系のモンスターが多いとの事。
ま、私はアンデット系の特攻なんて無いのでこのゲームのアンデットを少し見てみたいってのが本音だ。
「だけど降りれない」
崖から飛び降りたら落下ダメージで終わりだが、【風玉】で防ぐ事は可能だが、登る事が出来なくなる。
形代も沢山は用意していない。なので、マナちゃんを呼びました。
「危険と判断したらすぐに応召するからね」
「か〜」
カラスのマナちゃんに崖の下に飛んで貰い【共有】で確認。
「特に何も無いな〜」
リアルな骸骨が落ちている程度だった。動いているゾンビとかは居ない。
「ん〜死刑用に使われた所なのかな?それとも自殺した人達かな?」
ごめんね、私は供養出来ないんだ。巫女だけど。
ゲームには何かをモチーフみたいな感じにしているようだ。
そして1つの世界に様々なシナリオを用意しているようだ。
だが、簡単には見つからないようである。
「マナちゃんありがと。もういいよ」
骸骨ばかりが広がっておりマナちゃんにこれ以上見せたくない。
マナちゃんが戻って来て私の肩に乗る。
「責めて安らかに眠ってください」
片膝を着いて両手を組んでただそう祈った。
そして私は崖から伸びた手に引っ張られて崖下に落とされた。
「え、ちょま、うわああ!」
皆も落ちてくる。そして私の腹にダイブして来るがイサちゃんネマちゃんマナちゃんハクちゃんクロちゃんだと私の体では全員を受け止められないよ!
抵抗出来る訳もなく私は崖下に落ちた。
「何が起こって?」
上を見ると第1回イベントで見た即死エリアのマークがあった。
上からだと暗くて見えなかったがまさかの入れないシステムだったようだ。
マナちゃんは気づいていたようでギリギリの飛行をしてくれていたようだ。
「でも、なんで?私生きてるよ?」
現実的にもゲーム的にも。
でも考えても仕方ないので私は進む事にした。
「どちらにしようかな神様の言う通り、死神さんは今日も魂を回収したけど成績で同僚に負けて煽られた⋯⋯右だね」
分かんないしこれで。2択の場合これを使うのが多い。
そして進む事で骸骨が増えて来て、更には体が綺麗に残っている物もあった。
流石にリアルに近づけ過ぎな気がするよ。皆を応召しておく。
「竜巻を出して上に戻ろうかな?」
でもあの即死エリアのマークに触れて即死なんて嫌だしな。
骸骨に近づき頭等を確認した。
「落下している人は居ないんだね」
落下して出来るような傷が骨に無いので落下死は無いと判断した。
流石に怖いので気を紛らす為に鑑識官の真似事をした。
と言うかこれ全部作り物でした。
このゲームの感覚は色々とリアルなのでこの骨がプラスチックであり更にはこれは元々骨であり特に砕けた物やソレっぽい物は無かった。
「良かった〜」
何かに使われて孤独に骨になった人達じゃないって事だ。
「うん、皆呼べないや」
骨は作り物⋯⋯じゃあ私をここに引き込んだのは誰なのだろうか?
分からない危険性がある場合私は皆を召喚しない。
誰も死なせたくない。履歴的に無くても私の心がそれを許さない。
さて、本当にどうしようか?
「私、ここから出られないって嫌だよ?」
竜巻脱出は最終手段にして私は走る事にした。
私はお化けとか特に怖いとは思わない。だけど、異常に静かなこの空間は別だ。
「ん〜プラスチックの作り物だと分かっても良い気はしないな」
供養のやり方を師匠に聞こうかな?師匠は巫女でし知っているでしょ。多分。
戦闘特化の巫女なんて私見た事⋯⋯師匠と自分か。
「私回復系の力欲しいな」
【破呪】は別である。あれは現段階では使えない。
上位霊符が買えないのだ。職業専門店で買えた黒巫女の奴は性能の良い筆や形代だった。
私は1度止まって壁に背中を着けてお婆さんから貰った古本を見る事にした。
レベル10になったし何かあるかと知れない。
「ふむふむ、破呪に白紙に白紙に⋯⋯」
ペラペラ捲っても白紙だったのでインベントリに入れて再び移動を始める。
誰かを呼びたい。なんかここ凄く寂しさを感じてしまう。
だけど自分の理念や信念を曲げる気は無いので頑張って歩く。
「これってもしかして逆だった?」
壁に着いた。
壁を押したり叩いたり妖術を放ったりして色々と調べて分かった事は文字だった。
「⋯⋯何語?」
全く読めない文字が現れたよ。
顔を横にしたり逆立ちして読もうとしたら出来なかったりと色々とやり方を変えて見てみるが分からん。
「どうやったら良いんだろ?」
分からないので反対側に進む事にした。
「あ、念の為スクショしておこう」
このゲームでは自分の視界をそのまま写真に収める事が出来る機能があり、自分のHPバーを消してそれを撮っておく。
そして私は真反対の方向に走って行った。
【風足】も使って。
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