第2話有り得ないこと

植物は、枯れてしまっている。まるで枯れ葉剤でも撒いたかのように。だが、枯れ葉剤など使っていないことは明確だった。

何故なら、犯人は隠れることもせず、目の前で、残っている植物を枯らしていったからだ。正気の沙汰とは思えない。気狂いきちがいだろうか?と思うだろう。目の前に居たのが、人間だったなら。


「きゃあああー!!」

「どうしt…ぎゃあああー!!」

エクリオン王国の人間は、混乱していた。

何故なら、朝を向かえ、外に出ると…街中化け物だらけだったのだから。

植物は枯れ、地面は腐り、建物が朽ちているのだ。犯人は、ゾンビ。どこからどう見ようと、誰が見ようと、正真正銘のゾンビだった。人間の形をしている。体が腐っている。そして、臭う。腐敗臭。


エイミーとイドは、思わず頬をつねった。痛かった。

「ここは危険よ!ひとまず家に入るわよ!」

幸い、ゾンビはこちらには気づいていなかった。耳も腐っているみたいだ。

二人は、頭を整理する。

「夢だと信じたかったが、夢じゃないみたいだ…!」

イドが口を開いた。

「頬をつねったけど、痛かったわ…!

これは、何が起きているのかしら…!?」

「分からない!けど、ゾンビが出たってことは確かだ!家の中は今のところ大丈夫だけど、どうしよう!?」

「助けを待ちましょう…。今できる事は、それくらいよ…。」

「逃げないのか?」

「どうやって逃げるのよ…?逃げようにも、街中化け物だらけよ!街を出る前に、死んじゃうわよ…!」

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