はいしんにむけて

だんじょんいってみた

 ダンジョンって良いよね。

 だって、他人とほぼ関わらなくて済むし、社会に出なくても良いからさ。


「いってきます」


 身軽な服装、ジャージのズボンと半袖のTシャツで家を出る。目指すはダンジョン。


 ダンジョンが現れて、早10年。世界はガラリと変わった。エネルギーはほとんどが魔石に変わり、資源はモンスター由来のもので溢れかえった。

 私的に一番変わったのは、高校辞めたことなんだけど。

 正直、お母さんにめちゃくちゃ止められた。まあ、普通に考えて年頃の娘がダンジョンとか言う超危険な所に行く、どころか高校も辞めるって言うんだから、そりゃ止めるよね。

 でも、何とか説得した。といっても、とりあえずやめずにダンジョンに一回行ってみて、それで決めるってことになっただけなんだけど。

 説得できた時は、多分人生で一番嬉しかったかもしれない。だって、あのまま行ったら高校を出て大学、か就職。どっちにしても社会に出ることは確実なんだから。私は、社会には向いていない。言うなら社会不適合者だ。

 だって、心の根本では他人のこと信用してないし。ていうか人見知りだし。コンビニのレジにも行きたくないです。というか物理的に人の前に立ちたくない。

 そんな私が、社会に出たらどうなるかとか、1+1より簡単。だからこそ、ダンジョンっていうのは良い所。だって、ほぼ1人だからね。換金の時はあれだけど、そこだけ我慢すれば良いだけだし。

 と、気づいたらダンジョンの入り口についてた。

 ダンジョンには、一般人が入れないように、門みたいなのがある。台に固定されたタブレットみたいなやつに探索者カードをかざすと開く扉。

 人工でできてるから、穴はあるけど、でも優秀なやつ。いまじゃ、高級ホテルとかにも使われてるらしい。

 ダンジョンに入ると、洞窟の中に出る。そして、すぐ近くのエレベーターに乗った。

 最下層へ、ゴー!


「ゲキャ!グギャギャ!」


 ムキムキのゴブリン、えーと、確かゴブリンファイター?キング?だっけ?それしか知らないからわかんないや。が、お出迎え。


「えい」


 ただパンチを叩きつけるだけで、ムキムキゴブリンの上部分が粉砕した。

 死体が光の粉になった後、ゴブリンがいた所に魔石が落ちていた。

 モンスターを倒すと、魔石と、たまにアイテムが落ちてることがある。これが探索者の資金源だ。これを持って帰れば持って帰るほど、その量分お金がもらえる。


「よーし、頑張るぞぉ……!」


 この後、5時間くらい潜って帰った。

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