容赦のねぇ従者

 いやはや何で人力車引いてんの俺?

 ま、いっか!


「水禍様、普通友達に人力車引かせないよ?そんなんだから友達が少ないんだよ」


「うわーぉ、ギンが弱点にクリティカル攻撃してきたんだけど?」


 かわいそすぎ。容赦のねぇ従者やな。


「あ、たなかっち。この子が私の数少ないフレンド兼専属メイドのギンだヨ!」


「初めまして、田中さん。水禍様とはどんな関係なの?」


 バカでっけぇ屋敷の中に案内されてる道すがら、ギンちゃんがすごいこと聞いてきた。

 なんか周りからの視線がすごくなってんじゃが。わらい。


「どんな関係だと思う?」


「彼氏とか?」


「???たなかっちと私が???」


 おうなんだこいつ?喧嘩か買うぞ?

 まあ俺も同意見だけど。わら。


「ただの友達なんだなーこれが!」


 ギンの頭を撫でながら答える。

 良いよなちいちゃい子って。愛らしい。


「ん……水禍様、私田中お父さんの養子になる」


「は!?だ、ダメだよたなかっち!この子はあげないよ!?」


 ばっと抱きかか離れてそう言う水禍。要らんがな。


「要らんがな。あとお父さん言うな?飴ちゃんあげるから」


「わーい」


 めっちゃ美味しそうにペロペロキャンディ舐めてるギンちゃん。

 言動全部幼すぎて草。ゼロと同じくらい幼いじゃんよ。


「じゃあ水禍様、田中さんと結婚して?」


「え、やだ」


「おれも☆」


 ともだちが一番良いっしょ。知らんけど!

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