わちきのスキル

「たなかっちえぐぅ……」

「ど、同意します……」


「んー?どしたー?」


 なしてそんな引いとる?


「いや、いやいやいや、無双し過ぎじゃんよ、たなかっち」


「流石に強すぎですよ」


 いやぁ、そげに褒められっと照れりング。


「そんなにかぁね」


「そんなにだぁよ?だってここ難易度8と同じだぁよ?」


 ありれ、もうそんな行ってんすか、俺ら。まあいっしょ?ここで無双しても。


「そんなこと言ってっけど、そなたらも強いじゃな〜い」


 普通に危うげなく殺ってっし。


「それに、俺はほら、スキルのお陰っちゃお陰だから。あいや、ユニークスキルは元々の才能だっけか?」


 あり?どうじゃっけ?まあいいか。


「あ、そうじゃーん!たなかっちってスキル何ー?私はねー、《水災》!ユニークスキルだよー」


「確かに、聞いてませんでしたね。あ、私は《閃足》ユニークスキルです」


 まあ、2人はどんなスキルかはなんとなく分かるケド。わっかりやしーすぃ。


「俺のスキルはな、《磨かなきゃ宝石の持ち腐れ》だべん。ユニークスキルだで」


 てか水禍さんそれユニークなスキルなんすね。なんだ?水を出したり引っ込めたり操れたりする元々の才能って。超能力かよ。わら。


「どんな効果なんですか?」


 ダンジョン内とは思ねぇほどゆったりとした雑談。まぁ、流石に新宿ダンジョンは簡単な方だからな。当たり前だっちゃ。


「これはねぇ、とてもとても困ったちゃんでねー。簡単にいうと才能を宝の持ち腐れさせてくるんだよねぇ」


 宝の持ち腐れってーのは、持ってるけど全く活かしていない、腐らせた状態って意味。それを才能でやってくる困ったデバフスキル。まぁ普通のことを過剰にしたデバフかっこわらなんダケド。


「つまり?」


「つまり、ありとあらゆる才能を封印するけど、少し封印された才能を伸ばすと、封印が解ける」


 しょーじき、ついこないだまで俺は身体能力以外はただのばけもんみたいな力持ってたんよな。あ、でも頭は悪悪やで。アハン。


「え、才能を封印するだけ?」


「よく考えたらそうじゃんね」


「あっはきもぉ」


 ガチ引きですやーん。草。

 すげぇ引き攣った笑顔で水禍ちんがチクチク言葉言ってくる。あと彼方はドン引きが一周して、『私のお友達すごい!』ってなってる。純粋過ぎ可愛いかよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る