ぽえ?

 あのクソキモ水もとい、不愉快球を潰して第六層へ進んだ俺。階段の先には、ゴブリンがまたまた大量に、ってことはなく。


「なんだこれ蹂躙じゃねえか」


 あるのは大量のゴブリンの死体だけだった。


「不思議パワーの次は不思議かよ!マジウケる」


 そこに留まったって暇なだけだから、真っ直ぐ前へガンダッシュ。一回、『ッパァァァァ…ン』てでかい音が後ろから聞こえたもんだから、スピードはそこそこに。

 そこそこ進んだ後。前方に人を数人確認!ゴブくんと遊んでるようだ。




————————————————————


 第六層。ゴブリンの超異常発生の報告を受けたダンジョン協会は、全攻略者に向け、ゴブリンの掃討依頼を出した。

 新宿ダンジョンは世界一の階層数を持つ。確か百一層まであったはずだ。

 新宿ダンジョンは、他のダンジョンと違う特別なところがある。それは、一定の階層毎に難易度が上がっていくことだ。普通、ボスを除いて、多少のばらつきはあれど基本的にモンスターの強さは一定だ。

 今回のゴブリン超異常発生は今までにないもの。そのため何があるかわからないため、各階層に上位攻略者が1人以上送られる。俺は一応上位攻略者だからここに送られ、指揮をとっている。パーティのリーダーなんて初めてだし、リーダーなんて柄でもないから、例え異常個体イレギュラーが出ても問題なく対処できる上層なのは、不幸中の幸いだ。だからといって、油断も怠慢もせず、何があるかわからないのがダンジョンのため、警戒は怠らなかった。

 問題なくゴブリンどもを倒していたら、突然後方からもの凄い音が聞こえ、そして《探知》で何かがありえない速さで近づいてくるのがわかった。


「ッ!何か来るぞ!!備えろ!!」


 俺がそう言うと、即座に警戒の体制に入る。例え下位攻略者も中位攻略者も、今回の依頼に参加できるプロだ。誰1人として戸惑わない。

 直後、ゴブリンの方から爆音が聞こえた。


「くっ!なんだ!?」

「落ち着け!取り乱すな!」


 あまりに突然だったため、少し取り乱すものもいたが喝を入れる。敵か味方かはわからないが、もしも敵ならば、死ぬ覚悟を決めなければならない。


 少しの静寂。立ち上がった砂埃の方から声が聞こえた。


「なんだこれ…うざってぇなおい」


 砂埃の向こうの何かが言った。そのすぐ後に、突然風が巻き起こり、砂埃が晴れていく。晴れた先には、男が立っていた。


「どーも、初めまして。突然の乱入失礼」


 明るい調子で、そう話しかけて来た。

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