テンプレって天ぷらみたいよな

 はいどーも、第三層を抜けて今、第四層にいる俺でーす。特にこれといって何かあったわけでもなく、もたもたするのもなんか負けな気がするから、急いでみるとまぁびっくり。約15分で第四層に行けた。走ったらどうなるんやこれ?


「ひゃっはぁー!!!轢かれ死にてぇ奴から前にでなぁ!!まぁ出なくても弾くけどよぉ!!!」


 思い立ったが吉日。気になったから走ってみるとまあ爽快。思わず世紀末のような叫びをしてしまう。木々を薙ぎ倒し、岩を砕き、ゴブリンをミンチにしていく。たーのしー!


「うぉっと、あぶねぇじゃねぇかこの野郎!」


「ゲヒャァ!」


 走っているとやけに動きの良いゴブリンが攻撃して来た。……よくみると屈強だなこいつ。

 だからなんだって話だった。


「ちょっと強いだけじゃんかよ。期待させやがって」


 一瞬で終わっちまったよ。せめて10秒はもってくれ。


 ちょいつよゴブリンはその後も何体か出て来たが、結局この層は全部ワンパンで終わっちまった。ゴブくんさぁ…

 そしていよいよ第五層。若干の足止めがあったが、タイムは縮まり約7分。5の倍数ってなんか節目感あるよな。


「ん?なんか少なくね?」


 少ないとは言ったけど、まぁそれでも馬鹿みてぇな数がいるんだけど。一層ごとに増えてたのに第四層より少なくね?


「………これは何かあるな?いわゆる天ぷら…じゃない、テンプレってやつだな?こうしちゃいられねぇ!ゴブリンこいつらにいちいち構ってる暇はねぇ!」


 右手に見えます木に向かって凸り、蹴って空を跳ぶ。


「ひしめぎ合ってんなぁ」


 上から見たゴブ達はすごかった。同じ目線と高いところからとじゃ全然違うなぁ。


「よっ…と!?」


 特技で永遠に飛べるとか、そういうスキルとかをもってるわけじゃないから落ちてくわけで、ゴブリンの頭を踏み台にしまた跳ぶ。

 まぁ足場として不安定だからそんな跳べなかったけども。


「つってもまぁ2回目はミスりませんけど」


 2回目で安定3回目で応用。どうも天才です。

 そして空高く飛び上がって気づく。


「おいおい、俺とは反対向いてやがるぜ!この先絶対なんかあるじゃねぇか!ヒャッハー!」


 一定距離外ののゴブリンたちは奥の方へと向かっている。コレ絶対なんかある奴だぜコレ。


 そこから一気に進むために、縦の軌道を横に向ける。すると、あっという間に、その現場にたどり着いた。

 そこは、まさにテンプレな状況になっていた。


「オイオイオイ、死にかけだわあの人ら」

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