第20話⁂再び永田亮が?⁂



 オヤジ止めてくれ!……俺は万里子お嬢様と真剣に付き合いたい!……それから……めぐみちゃんは関係ないじゃないか?」


「直樹!ミイラ取りがミイラになってどうするんだ!万里子お嬢様とめぐみちゃんは邪魔でしかない!……だから分かったな?」


「…お お 俺はもうこれ以上2人を騙したくない!」


「何を言っているんだ……?今更………」


 *****************


 1985年7月夜空にきれいな星の川がかかり*✶*。✰🌙・*✰*

 色とりどりの、七夕飾りがそよそよと風になびいて🎋。✯*⋆✷


 それでも色んな難題が降りかかってくるものだ。

 それは唯一水口静子の過去を知る、大物アーティスト永田の存在。


 順調に愛を育み、30歳で結婚した国内最大手の電機メ-カ-山下電機社長の長男、山下勉と緑は新婚ホヤホヤ。


 そんな幸せの真っ只中に、あのホテルのレストランで食事をした永田亮から再び連絡が入った。

{一体今更私に何の用が有るのかしら?}


 永田亮はもうとっくの昔に過去の人、最近は浪費癖がたたり金銭的にも困窮している様子。


 そこで地元九州に戻り、Kエイジェンシーの仕事も引き受けているらしく。水口静子の過去を事務所から聞き出して、それをネタに緑に頻繫に金の無心をして来るようになった。


 過去と言っても、ロ-カルモデルとして土日だけのアルバイト程度だから、詳しい事はKエイジェンシーも知らない。


 それから勿論、Kエイジェンシーではモデルとして活動していたので、水口静子と白崎緑が同一人物である事も当然知らない。

 雰囲気も随分変わっているので気付いていないのだ。



 それなのにあの永田亮に知られていたとは……。

 あの時は本当にビックリした。

{あの時はもう目の前が真っ暗になり、全て水の泡と思ったものだ。だがあいにく水口静子の出自は知らない様子で安心していたのに、最近どこで調べたのか……?出自や父親がまさか、武闘派で知られる吉川会組長だという事まで知っていたとは?……父親が、窮地に陥った時に現れるあの優しい忠だという事は、私も知らなかった事なのに…それから今井小百合に成り済ましている事まで、どうして分かってしまったのだろう?}

窮地に立たされる緑。


「フフフ!……俺はお前が俺の前座を務めていた時から……フフッ!このままでは・・俺が食われてしまう……そう思い目を光らせていたのだ!‥だがその後、俺と同じ事務所にスカウトされメジャーデビューして来た時に随分雰囲気は変わっていたが・・あの歌声と楽曲のセンスにピンと来たんだ……それでもあの時は俺も忙しくてそれっきりになって居たが・・最近は色々あって俺もお金が底を付き・・そんな時に、お前があの大企業の次期社長夫人に収まる事を知った俺は唖然としたさ~?……なんだこの違いは……?俺はもう最近は芸能界での居場所も無くなり‥仕方なく地元に帰ったんだ……そこで‥博多で幅を利かせている武闘派で知られる吉川会組長と同じ博多に事務所があるKエージェンシ―も何かとお世話になっている事から・・・そういえばお前の興行には、必ず武闘派で知られる吉川会組長の影がチラ付いていた事を思い出したんだ・・何故あんな良い所のお嬢様があんなヤクザと関わりが有るのか不思議に思ったんだ……フフフ!そこでこれはひょっとして金になるかもしれないと思い興信所を使って調べさせたんだ……‥興信所でも分からなくて…ある人物に依頼したんだ…するとよくよく調べると水口静子と親子関係だと判明したんだ。だが?水口静子と白崎緑が同一人物だと知っている者などいない……そこで考えたんだ。俺は落ちぶれ最近は金銭的にも事欠く毎日…同じ人間でも、なんだよ~この差は許せない!惨めで!惨めで!そこで‥俺も苦労したさ~……ありとあらゆる手を使って調べたさ~?するとある事件にたどりついたんだ!……あの行方不明になった柳田万里子さんと最後に会っていた人物こそ、お前の父親吉川会組長の息子木村直樹だという事が分かったんだ!……そしてお前が本当は武闘派で知られる吉川会組長の娘で……日本有数の不動産会社の令嬢、あの今井小百合に成り済ましている事を全てばらしても良いのか?フフフ…もし知られたくなかったら今直ぐ俺の口座に3千万円振り込め!」


「チョット待って下さい!3千万円といっても直ぐに出せる金額ではないし!!!!それから・・それから・・エエエエエエエエエエエエ――――――――ッ!まさか私があの武闘派で知られる吉川会組長の娘で、木村直樹が私と兄弟だったなんて!」


 果たして、これからどうなって行くのか???




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る