バナナキング

 朝日がまだ昇らない頃、私は家を出る。


 冷たい風が肌を震えさせ肌が立ってくる。


 私は重い足取りでバス停に向かい学校行きの始発バスに乗った。


 揺れる車内、私はバスの車窓から流れ行く景色を眺める。どこのお店もまだ明かりが灯っておらず、人通りも少なければ車もそれほど目立たない。


 私はバスから降り学校に向かう。

私は、学校の校門をよじ登り校舎に入る。


 校舎内は、静かで薄暗かった。

廊下を歩くと上履きの擦れる音が反響する。


 私は、上へ階段を一段一段と上がって行く。


 屋上には、鍵が掛かってあり私は近くにあった消火器で錠前を壊す。


 私は屋上の階段を上り扉を開ける。

開けた瞬間眩い暖かい光が私の顔を照らす。


その後、肌寒風が吹き私の首筋に触れる。


 私のは、金網に手を掛けてよじ登り金網の反対側に降り立つ。


 下を覗き込むとグランド全体が良く分かり、白いテントや赤いプラスチックコーンが小さく見える。


 私の足が震え出し鳥肌が立つ。


「死んだどうなるのだろう、本当に天国は、存在するのだろうか、もし存在するのだったら」


ワタシは地獄行きだろうか、


 ワタシは校舎から身を投げ出した。

風が服と髪をなびかせる。


 何故だか、昔の記憶がよみがえる

楽しい記憶、辛い記憶、悲しい記憶…


目の前には、コンクリートの地面が…


 とても暖かい血がワタシの頭から地面に広がって行く、痛みが段々薄れて行き意識が遠退いて行く‥‥

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バナナキング @Mysteryman

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