#20 悪夢





 月曜日からは、朝30分早く出ていたのを通常の時間に戻して、駅でセツナさんと待ち合わせて登校するようになった。


 この日もカナちゃんは学校に来ていなかったが、そのお蔭か何事もなく過ごすことが出来た。


 放課後の生徒会は通常活動に戻っていたけど、以前は休みがちだった岸本さんも来ていた。


 セツナさんとの交際は、秘密にしていたわけではないけど、積極的にみんなに話したり、学校でイチャイチャするようなこともしないようにしていた。







 しばらくは平穏な日々が続いた。


 カナちゃんも3日ほど休んでいたけど、普通に登校するようになっていた。

 今まで通り特に教室で話すことは無かったし、それに杉村がカナちゃんに近寄ったりすることも無くなっていたが、どうでもいいやと気にしなかった。




 セツナさんとは、毎日一緒に登校して、一緒にお昼を食べて、放課後都合があえば一緒に帰る。 一緒に帰った日は、家まで送って行って、キスして別れた。

 週末も毎週では無かったけど、ちょくちょくお互いの家で会ってはセックスをした。


 生徒会の方は、来栖先輩は相変わらずで、僕のことを気にかけてくれつつも真面目に生徒会の活動に取り組んでいた。


 岸本さんは、休憩時間に僕のところに遊びに来るのが続いていて、今まで以上に何でも話せる様な仲になり、僕も”ハナちゃん”と普通に呼ぶようになっていた。

 放課後の生徒会も僕が出席するときは、ハナちゃんも毎回来ていた。


 安井君は、また以前の様に顔を出すことが無くなっていた。








 そんな日々が2か月ほど続いた。

 この日は事前に放課後の生徒会が休みだとセツナさんから連絡が来てて、この日やる予定だった月末の報告書を家に持ち帰って作製しようと思い、放課後たまたま一緒に居たハナちゃんと生徒会室に書類を取りに行った。


 生徒会室に着いて何も考えずに扉を開けると、セツナさんと安井君が居た。











 セツナさんは制服がはだけて半裸で胸が見えてて、安井君は下半身丸出しで、要はセックスをしていた。






 セツナさんは僕と目が合うと悲鳴をあげてその場に座り込み、安井君は慌ててズボンを履いて生徒会室から飛び出した。


 僕もハナちゃんも入口で扉を開けたまま唖然と固まっていたけど、直ぐに立ち直ったハナちゃんが「先生呼んでくる!」と言って、走って行った。


 机の上には、開封されたコンドームのパッケージが放置されていた。




 二人その場に残されて、震えながら声をかけた。


『ど、どういうこと・・・ですか?』


「ちがうのちがうの、誤解だから」


『えっと、合意じゃないと・・・? なら無理矢理?』


「ちがうの・・・・」


『違うって、何が、ですか?』


「わかんない・・・」


 そこで、今日は生徒会お休みを言い出したことを思い出した。


『もしかして、今日お休みにしたのって、安井君と会うためですか?』


 セツナさんは嗚咽を零しながら泣いてて、返事をしなかった。


 そういえば、最近放課後の生徒会、ちょくちょく休みになることあったな。

 以前は、毎日必ずセツナさんも来栖先輩も放課後は生徒会室に居たのに。



 詳しいことは何も聞き出せてないけど、なんか解った。

 僕、また浮気されてたんだね。




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