#09 生徒会決議




 しばらく立ち直れなくてトイレの個室に立て篭っていると、トイレの外からセツナさんと来栖先輩が心配して大声で声を掛けてきた。


 まだお腹の調子が悪かったけど、トイレから出て、入口で待ってくれていた3人に心配かけたことを謝った。



 とりあえず生徒会室に戻ることになり、今後のことを話し合うことになった。




 生徒会室に戻ると4人定位置に座り、セツナさんが号令をかけた。


「えーっと、今から生徒会臨時ミーティングを始めます。 議題は、ムギくんの彼女である1年2組の池内カナに関してです。 まず、最初に確認します。 ユキちゃん、先ほど現場で確認した状況を改めて報告お願いします」


「はい。 私達が1年2組に駆け付けた際、教室内にて、池内カナともう一人の男子・・・名前なんだっけ?」


『杉村です。 下の名前は知りません』


「・・・・えーっと、その杉村なにがしが教室の窓際で、池内カナの肩を抱き寄せ、二人で外に向かって何やら囁くように会話をしていました。 二人とも廊下側に背中を向けていて、私たちが見ていることに気が付かず、時折り楽しそうに笑う声も聞こえていました」


「はい、ユキちゃん、ありがとうございます」


「次に、ハナちゃん。 その証拠写真を撮影したかと思いますが、写りの方はどうですか?」


「ばっちりですー」


「はい、ありがとうございます」


「それでは、少し早いですが決議を取ります。 1年2組池内カナと杉村なにがしが有罪だと思う方は、挙手をお願いします」


 4人とも挙手


「はい、ありがとうございます。 では、この二人が”真っ黒下衆野郎”との判断を本生徒会の総意と致します」

「続きまして、今後の方針についてですが、とりあえずムギくんのダメージがかなり大きいので、今日のところはここまでにして、明日以降の放課後、作戦会議を進めたいと思います」

「ハナちゃん、明日から安井君にも来るように伝えておいてもらえるかな」


「りょーかいですー」


 書記である僕は、ここまでの議事録を正式な報告書に記録した。



『あのー・・・僕はとりあえずどうすれば・・・? 明日から一人で学校行くってメッセージ送っちゃっていいんですかね?』


「そうだね。今からこの場で送ろうか。 それで明日から私と駅で待ち合わせして一緒に登校しよう」


『すみません、助かります』


 早速スマホを取り出して『明日から一人で学校行くから、待たなくていいからね』とメッセージを打ち込み、送信する前に3人に見せた。

 3人とも無言で頷いたので、そのまま送信した。

 しばらく様子を見たけど既読が点かなかったので、解散することになった。




 校門まで4人で歩き、校門で別れる時に岸本さんが「明日から休憩時間はー 私がムギくんのとこに行くから頑張ろうねー」と言ってくれた。


『うん、岸本さんありがとう。助かるよ』とお礼を言って、この日はさよならした。



 セツナさんと帰り道、セツナさんは僕とずっと腕を組んで歩き、しきりに「大丈夫だから、私や生徒会のみんなが着いているから」と励ましてくれた。

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