君と僕との最後の晩餐

@taicha2o8

第1話

「ご馳走様!美味しかった〜。」大好物のオムライスを食べ終わった君はそう言って笑う。僕はその君の笑顔をあと何度この目見ることが出来るだろうか。何度繰り返したかも分からないこの日常が、これからもずっとこの目で記憶していくと思っていた光景が、もう明日には終わってしまうかもしれない。

明日、余命を迎える君を見ているとどうしようもない気持ちになり、言葉は喉に詰まり、身体中の神経、筋肉が言うことを聞かない。それでもいつも通りを続ける君は最後に「おやすみなさい」と笑顔をで言った。それに対して僕も「おやすみ」と返す。僕はいつも通りの声で、笑顔で送り出すことができたのか、それすらも分からなかった。

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