冬 −春夏秋冬と手紙−
俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き
冬の手紙
冷たい雪が肌を刺していく。
僕はその雪の中に、一通の手紙を拾った。
「これは…………」
純白に染まる息を吐きながら、その厚紙の鼠色した封筒をゆっくりと拾う。
「手紙だ。こんなの本当に久しぶり……。お兄さん、ここまで来たんだ。」
数度顔を合わせたことある配達員のお兄さんの笑顔を思い浮かべながら、雪に覆われた家路をたどる。
「手紙……か………」
ここ数年来たことのないその想いの船に、少しだけ興奮気味に呟いた。
「誰からも……誰とも会わないし……」
雪山で独り住んでいることの弊害、他人との接触機会の無さに苦笑いしながら封筒の縁をナイフでなぞる。
「………………………」
僕はホットココアを飲みながら、その手紙を机において目を通した。
「そうなの……」
唯一の友人の旅立ちを告げるその紙は――――
――――冬の匂いがした。
冬 −春夏秋冬と手紙− 俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き @Ch-n
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