深淵に沈んだ歴史(ボツになったストーリー)その2

ボツその2です・・・

こちらも本編とは一切何の関わりもないものですので飛ばして頂いてオッケーです♪


―・―・―・―・―


『新しい年編 その19 五大精霊の守護者、王国の剣、そして王国の盾』の別バージョン



西の戦争が終わったので北は王国軍に丸投げで十分だろう・・・とも思うんだけど一応様子くらいは観に行っておくかとやってきたのは北都の北。

あれだ、黒竜を撃ち落としたさらに北側の山沿い。

こちらは西の戦場とは違いそれほど開けた土地ではなく谷間を挟んだ向かい合わせの山と山でお互いに陣をはって睨み合い状態。

皇国軍としては帝国軍が居るんだからまさか王国軍が全力で北に軍を向けてくるなどとは思っても居なかっただろうし、もしその様な事をしてきたならば帝国軍が王国内で暴れて王国軍が引き返すのを待てばいいと思ってるんだろう。


頼みの綱の帝国軍、地上から居なくなっちゃったけどね?

まぁ睨み合いと言えども小競り合いはそこかしこで起こるわけで。

てか両陣営からのロケット花火みたいなやる気のない魔法の撃ち合いは何の冗談なんだろうか。

小競り合いの戦場から少し離れた高台の上、キーファー家の旗がたなびく陣営で観戦しているコーネリウス様を見つけたので声をかけようと近づく。

てか敵軍の騎士なのかな?1人派手な衣装で走り回ってるのが居るな。


「何です?あの派手なフリフリした白い鎧の騎士様は?」

「ああ、ハリス、お帰り・・・でいいのかな?君も聞いたことがあるだろう?皇国の至宝『白い貴婦人』と『薄氷のドレス』さ。て言うか早かったね?」

「あ、はい。貴婦人とドレスですよね!・・・何ですそれ?」


ごめんやけど全く聞いたことねぇわ・・・。

どうやら派手なオネェちゃん(おばさんの可能性も)が振り回してる剣が『白い貴婦人』で纏っているドレスアーマーが『薄氷のドレス』と言うらしい。


「メルちゃん・・・は知ってそうだな、サーラ、知ってた?」

「もちろんです!『三色(みいろ)の剣(つるぎ)』のうちの一振りですよね?」

「なんぞそれ・・・」


どうやらそういう剣があるらしい。三色って言うくらいだからおそらく3本だろう。

いや、四天王もいっぱいいるし『三色(同じ色が何本も存在する)』ってこともあるのか。

てかむっちゃ圧されてると言うか見てる間に味方が5人くらい斬られてるんだけど・・・。

しびれをきらしたのか、そちらに向かって味方の陣営からまた誰かが出撃しようとしてるな。


あの白いヤツ・・・普通の装備では相手になりそうにないんだけどなぁ。

装備込みでうちのおっちゃんと同じくらいの強さはありそうだし。

相手が疲れて動けなくなるまで犠牲を出す人海戦術か?

まぁメルちゃんかサーラ嬢なら簡単に勝てる相手なんだけどさ。


うん?あの後ろ姿・・・ってガイウス様じゃん!?

どうして公爵閣下がこんな小競り合いで先陣きろうとしてるんだよ!!

慌てて近くまで転移して手綱を引いて出撃を止める。


「ちょ、閣下!ガイウス様!お待ちを!!」

「どけっ!!邪魔をするなっ・・・何だ!?ハリスではないか!!」

「何だじゃありませんよ!どうしていきなり先頭に立って斬り込みかけようとしてるんですか!!」

「見ればわかるであろう!あの忌々しい女を!普通の剣ではあれの相手にもならんからな!魔剣を持った私が出るしかなかろう!!」


うん、すぐ近くなのに叫ばないと声が聞こえないとか戦場ってのは非常に不便だな。

てかさ冷静になろうよ野蛮な方のコ○ン!


『魔剣の相手を魔剣でしよう』←わかる

『これは俺の魔剣だし俺が相手しよう』←わからない


あと大事なことなのですがそれが魔剣だと言うのは大きな勘違いです。

それはただのよく斬れるだけの普通の剣です。


「それならそれで誰かに剣を貸し与えるとか方法はあるでしょうが!どうして御身自ら出ようとしているのですか!もし、もしも閣下に何かありましたらっ!ありましたら・・・オースティア様の面倒は私が」

「・・・やはり公爵ともあろうものが前に出て危険に身を晒すのはよろしくないな、いや、それよりもハリス、どうしてここにいる?帝国軍はどうしたのだ?」

「埋めてきました」

「・・・陣営で詳しい説明を聞こう」


とりあえず思いとどまってくれたみたいでなにより。むっちゃスンッとした顔になってるけどご無事で何よりである。



てことで見学に来ただけなのに捕まってしまったのでその日の戦闘が一段落ついてから作戦会議ならぬ報告会議。

一度王都まで送り届けた観戦武官(?)のヴェルフィーナ嬢も慌てて呼んできての参加である。


「・・・つまり帝国軍4万、全て地の底だと?」

「そこまでは深く沈んでないと思いますが、掘り返せない程度の深さに沈んでると思われます」


会議に参加している貴族、絶句である。

こっちを見つめてドン引きである。

ほら、そこは素直に戦勝を喜んでおこうよ?


「いや、聖霊様のお力と言うのは凄まじいものであるな!」

「確かに・・・建国物語で語られていた大魔法の話もにわかに信じがたいものと思っておったが真実なのやも知れんな」

「王国に聖霊様が有る限り外敵など恐るるに足りぬわ!!」

「皇国何するものぞ!聖霊様万歳!国王陛下万歳!」


いや、普通に皇国に圧されてたじゃん。


「しかし忌々しいのはあの白い悪魔であるな」

「確かに。あの娘1人に戦場をかき回されるとはなんとも不甲斐ない限り」

「兜の下は見目麗しい乙女であると・・・もっぱらの噂だが果たして」

「いや、どうして皆さんでこっち見ながらお話されてるんですかね?別に私、美しい女性と見れば見境なく捕まえて回っているわけでは無いのです・・・どうして皆さんで驚いた顔をされているんですかね?」


えっ?俺ってどんなふうに認識されてるの?敵方であろうとも『美人さんなら捕まえて犯す!』みたいな狂った性欲の持ち主扱いなの?

DT捕まえてなんて失礼な・・・。そして白い悪魔とか色々と大丈夫なの?『皇国の』だからセーフ?

でもほら、今の俺には帰る場所があるから、帰ったらメルちゃんとサーラ嬢とイチャイチャ出来るから。

そう、これが精神的な余裕。滲み出る大人の魅力だな。


「・・・まぁ冗談はさておいてですね、あの白い人の相手は(この国の兵隊さんの強さ基準だと)余程の手練でないと務まらないかと思いますよ?」

「ほう、やはり私が出るしか無いか」

「止めてくださいね?いや、マジでお怪我とかさせたら変なおもちゃ持たせたからだってオースティア様に俺が叱られますからね?」

「ぷっ・・・いや、確かに彼の言う通りですよ父上。先程は私も肝が冷えましたからね?アプフェル伯が止めてくれから良いようなものの・・・」


「ではどうしろと言うのだ?あれの相手になる人間、いやあの三色の剣の相手が出来る剣など」

「いや、うちのよ、嫁・・・候補がいますから大丈夫ですよ?そうだろう?」

「はい!ハリス様の自称嫁、このサーラにお任せ下さい!」

「自称しなくても大丈夫だからね?サーラは可愛い俺の嫁・・・候補だから」

「・・・また出遅れた・・・ハリス、私もいるんだからね?」


みんなで『その鎧・・・喋るのか!?』みたいなビックリのしかたするの止めてもらえますかね?普通に中に人が入っていますので。

いや、驚かれてる理由は鎧が喋ることよりも『お前その鎧と・・・結婚するのか!?』って驚きかもしれないな。

うん、きっと『やっぱり女なら何でもいいんだ・・・』とか思われてるんだろうな。・・・とても、とても失礼な話である。

とりあえず白い人対策としては乱戦に突入してこられるとすごく面倒くさいので朝イチに一騎打ちを申し込んでみることになった。

今晩?もちろん帰るよ?ヴェルフィーナ嬢をこんなとに置いておけないし。俺も置いておかれたくないし。


てことで翌日。昨日はお楽しみ・・・して疲れが残ると危険が危ないかも知れないので何もしてはいない。

そもそも久しぶりの帰宅だったからミヅキと一緒に寝たし。

基本ダラダラと戦っているこの北の戦場、夜明けとともに開戦!なんてわけでもなく朝飯食ってのんびりとって感じらしい。

いや、もっと真面目に殺し合いしろよお前ら。戦争舐めてたらぶち転がすぞ?


昨日の夜のうちに一騎打ちの申込みをして向こうさんにも受け入れらたらしく三番勝負になったとのこと。

もちろん『勝負(殺し合い)』である。


「てか白い人何番目に出てくるかわからない、あまつさえ出てこないかも知れないじゃないですか・・・」

「そうなんだよね・・・でもこちらの言い分だけを通すわけにもいかないからさ」


そりゃそうだけどさ。まぁ三番勝負なら特に問題はないわな。俺と2人が出ればいいだけだし。

そして出てこないつもりなら出てこざるを得ない状況にしてやればいい。

そうだね、相手が真っ赤になるまで煽り倒してやればいいだけだね。

こちらは『俺、メルちゃん、サーラ』の順番で参加。

一組目からとのことで両軍の真ん中に設(しつら)えられた広場に向かう俺、ほら、危険がないかちゃんと様子見てからじゃないと2人を前に出したくないからね?

取り敢えず名乗りとかいるのかな?


「遠からん者は音に聞け!近くば寄って目にも見よ!我こそは・・・うん、なんか恥ずかしいわこれ。アプフェル伯ハリスだ」


(ボツ理由)

結構迷ったんだけど・・・なんかこう、帝国に続いて皇国との戦闘まであまりにも緊迫感が無さすぎる気がしたので。

そして『見た限りでは王国軍が不利な状況なのに裏切り者が出ないのはちょっとオカシイんじゃないだろうか?』と感じたので。

未だに少し『こっち方向でも良かったかな?』って思ったりもするのでしれっと差し替わってるかも?

こっちだと白い人、ちゃんと活躍の場があったんだよなぁ。



他にも凱旋のお話なのに途中で延々と御○候と喜○洲(御座○、別名:回転焼き、大判焼き、今川焼きetc・・・と、喜八○、みたらし団子)の話をしてたり、お好み焼きに辛子は必要かどうかとかまったく意味がわからないのでボツな回も多々あったりします。



※新章『南都編(仮)』もう少しだけお時間を・・・m(_ _)m

街作りとか蛇足だって言われそうで毎日胃がキュってなってるあかむらさきでした♪

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る