新しい同居人編 その11 あの人は今・・・

オースティア様のパンツ――否、とても愛らしくセクシィに丹精込めて作ったのでここはあえてパンティと呼びたい――を作った後は特にすることもないのでヴァイデに戻ってゴロゴロする。

・・・もちろんフィオーラ嬢の分も置いてきたんだけどさ、何かこう・・・わかるよな?とても体の一部がモヤモヤする!!ただの変質者だな。

てか一緒に行動していたドーリスは屋敷に戻ってすぐに塩の精製作業に入ってしまったので気分的にとても肩身が狭い。

お、俺もちゃんと働いたし?


まぁ俺の良心の呵責はどうでもいいとして、塩の話が久しぶりに出たので最近の生産量と収入である。

まず生産量、また増えた。現在日産75トン程。うん、領民、少し手を抜け。

さすがにこの量になると最果ての港街で全部が全部売り捌けるわけじゃないのでドーリスと俺の時空庫に在庫が結構な量溜まってきてるんだけどさ。

売る相手だって輸送の手間があるからね?まぁヴァンブス家の手配が終わればもっと増えると思うけど。

それでも一日換算で30トンくらいはさばけてるんだからペルーサは頑張っていると思う。


売上が1トンから30トンになったんだからもちろん収入も30倍。

途中に余計な人間を全く挟まないからストレートに収入が増えるのだ。


1トンの時

『大銅貨2000枚→銀貨400枚→大銀貨80枚→金貨16枚=ひと月だと金貨480枚』

だったのが、30トンだと

『大銅貨60,000枚→銀貨12,000枚→大銀貨2400枚→金貨480枚=ひと月だと金貨14,400枚』

になるわけで。


極端な話、ごろごろしながら塩工場の稼働用の魔水晶を作るだけで俺の収入がひと月金貨7200枚なのである。

領民の月給も大銀貨1枚(1万円くらい?)から金貨6枚(30万円くらい?)に大幅アップ。

てかこれ、俺もここの領民もお金を使わないとそのうち国内の金貨が枯渇しそうだよな・・・。

かといって俺は特にお金の使いみちとか無いんだよなぁ。ほとんどのモノは自分で作る方が高品質だし、欲しいものは作らないと売ってないものも多いし。


領民に関してもお金持ちだって知られると山賊とか海賊とか盗賊とか詐欺師とか悪質な商人とかが寄ってきそうじゃないですか?

まぁ今は一騎当千の女騎士様が2人も常駐してるからそんなモノは蹴散らして終わりなんだけどな。

2人しかいないから数で来られるとちょっと面倒なんだよなぁ。


やはりここは軍備の増強から・・・いや、こんな辺境でいきなり兵隊増やしたら完全に反乱を起こす準備だと思われるよな。

そもそもそれなりに戦闘能力があって、それなりに従順にこちらの指示に従って、裏切る心配のない人間なんて・・・居なくもないな。

うん、一から育てなくても戦闘能力がそこそこあって、他所から連れてきても苦情が出にくくて、裏切る心配・・・はあるけど最初から家族を人質に取れば(領地に住まわせれば)良かろうなのだ!って連中。

そうだね、迷宮探索者だね。


Q:えっ、冒険者ってその辺の兵隊さんよりは稼げるのにこんな辺境の兵隊の募集で集まるの?

A:稼げる冒険者なんて一握りでほとんどはその日暮らしなんだよなぁ。あと冒険者じゃなく探索者な。


辺境の衛兵とか危険も無さそうだしいっぱい集まる・・・はず。

てか兵士も大事だけど生活的なインフラ、最低限の道路はもとよりお店の類も一軒も無いんだよなぁここの領地。

ペルーサに頼んで雑貨屋くらいは置いてもらうか。



善は急げってわけでやってきたのはエルドベーレのディアノ商会。

従業員が増えてるらしく知らない顔の人間もちらほらと居るな。仕事は・・・真面目にしているようだ。

うん、店内は今日も賑わってて実に良い。頑張って俺のために稼ぐのだ!!


「ペルーサは居るかな?」

「はい、ええと会頭でしたらただいま商談中でして・・・失礼ですがどちら様」

「これはこれは閣下!ようこそお越しいただきありがとうございます!ささっどうぞどうぞ奥に!!」

「いや、来客中に入っていくほど急ぎの用事でも無いんだけどね?」


新人さんぽい妙齢の女性に声をかけたのになぜか見慣れたおっちゃんが出てきた・・・。


「いや、本当にようこそお越しいただけました、実は少々厄介な相手が来ておりまして・・・」


おっちゃんに案内されながら聞いた所によるとノルド商会のグランと言う商人が来ているらしい。

『ノルド商会』って確かこの国の王宮にも出入りがある大商会だよな?

ここ(エルトベーレ)の港を出入りしてる船の三割くらいはノルド商会の持ち船だってペルーサに聞いた気がする正に商会の中の商会。

そして『グラン』はノルド商会エルトベーレ支部の支部長のはずだ。


「いや、本当に面倒そうな相手が来てるな」

「はい、王宮御用達の看板で無理を通そうとする本当に厄介な相手でして」

「まぁ俺、これでも王族に喧嘩売ったこともあるからそのへんは大丈夫だけどな!」

「閣下は本当に色んな所で色んな事をなさってるのですね・・・」


おっさん、困惑顔である。別に俺から売った喧嘩じゃ・・・いや、俺が売ったよなどう考えても。


ん?第三王子はあれからどうしているのか?風の噂では王都の隅っこの方で病気療養中に『全身に鱗の生える奇病』にかかって大変らしい。

ちなみに他にも第三王子派閥の伯爵一家とフリューネ侯爵家のご長男が同じ奇病にかかったみたいだ。

・・・病気、怖いね?風土病か何かなのかな?とづまりしとこ。

フリューネ家のご長男だけはもう完治したらしいよ?・・・以降妹さんに迷惑を掛けることなど無く真っ直ぐに生きていって欲しいものである。

・・・何かのおりに『病気が再発』しないとも限らないからね?

あと、それとは別件で『人間くらいの大きさの蛇が三匹』王都内で見つかったとの報告も。発見すぐに退治されたので大事には至らなかったらしい。

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