東への旅編
東への旅編 その1 大事なのはストレスフリー
凱旋パレード(?)も無事に終わり、フィオーラ嬢に連絡を入れるために宿屋・・・に行くとそこそこの騒ぎになりそうなので懐かしの北都公爵邸に一時帰宅。
ジョシュアじーちゃんもそれなりの数のメイドさんも王都に行っちゃってるので人数は少ないがお出迎えをしてもらえてホッコリとした気持ちに。
・・・まぁこれから報告業務があるのでそこそこ気が重いんだけどさ。
て事でお仕事・・・の前に久々に大きいお風呂だ!!野外行軍中はさすがに体を拭くだけで済ませてたし片田舎の宿場に風呂など有るはずもないし。・・・こっそりと夜中に何度か湯船を出したのは秘密。
ん?ミヅキもお風呂に入る?ああ構わな・・・むっちゃメイドさんがこっち見てるな。えっ、この子?ああ、妹ですが?全然顔とか似てないけど妹なんだ。
さすがにあのままだとどえらい風評被害(いや、一緒に入ってたら風評では無いな)が発生しそうだったので蛇とは別々にお風呂に入って晩御飯を済ませる。
てか俺の中では蛇は幼女だけど幼女ではなく愛玩動物みたいな存在と言うか何と言うか。ワンコと一緒にお風呂入っても普通じゃん?
幼女を愛玩動物扱いするど畜生野郎にしか聞こえないなコレ。違うんだ!俺は無実なんだ!!
まぁそれはそれとして(流していい内容でも無かった気もするが)、やっぱりここが一番落ち着くなぁ・・・。よそ様のお家だけどさ。
色んな報告があるので書かなきゃいけない手紙と言う名の報告書の枚数が半端ではなく深夜までかかったけどなんとか全て王都の公爵邸の俺の部屋まで転送する。
あ、さすがに転送の魔法陣をそのまま部屋の床に書き込んだりしたら事故が発生しそうだから転送先は部屋に置いてきた『地獄の業火君(改) 燃やさないバージョン』の中だ。
Q:『地獄の業火君』ってなんぞ?
A;トイレの最終的な送り先、う○こを燃やす焼却炉だよ。
ちなみにこの改良版、こちらから送る時も同じ装置を使うので双方向に送り合う事も出来るのだが・・・ほら、むっちゃ来そうじゃん?手紙とか苦情とか。
だから(送信方法も教えてないし)向こうからは送れないって事になっている。
そして翌朝。朝ごはんを頂いていよいよ旅立ちである。・・・別に公爵家に思う所が有る訳じゃないので特に出ていく必要も無いんだけどね?
ほら、これ以上あのバカと関わるのも面倒だし、そもそも俺の目的『働きたくないでござる』だから。
うん、初期目標と違う気がする。『そこそこのんきにそこそこ上等な暮らしを可愛い嫁さんと送る』近くなった様なそうでもないような?
もうこれでいいや。
少なくとも貴族になりたいとか冒険者(じゃなくて探索者だな)として成功したいとかそんなしち面倒くさいことじゃなかったもん。
そもそも最初から自重してない?だって我慢とかしたらストレス溜まるじゃないですか・・・。
『目立ちたくない<ストレスフリー』だから仕方ないね?
てなわけで改まりまして出発である!
のだが、昨日あれだけ街中練り歩いたので少々顔が指すかも知れない。
と言うことで
「主よ、このクソ暑いのにその格好はどうかぞ思うぞ?」
「俺もそう思う」
暗黒卿のコスプレでいざ出発!!
・・・ちなみに街を出るまでに5回衛兵に引き止められた。
さて、現在地であるがもちろん『キルシブリテ王国』の『北都プリメル』・・・を出たところである。脱水症状を起こしそうなのでコスプレは既に脱いだ。
南に行けば『王都キルシュバーム』。西と言うか西南西に行けば『西都セルメル』東に行けば『東都レマメル』に至る。
ん?南都?王都の南は『越えられない壁』みたいな山脈が広がってるから・・・。
北都
東都
西都 王都
簡単に言えば位置関係はこんな感じだな。
ちなみに西都の更に西、王都から大山脈を超えて(超えられないけど)南、北都から黒竜山脈を西側に避けて北にはそれぞれ別の国がある・・・らしい。名前くらいしか知らないが。よその国に行ってみるのもいいけど今回は何となく
「東に向かってみるか」
この世界の果てだと思われている王国最東端を目指してみることにした。なんとなくロマンじゃない?喜望峰とか行ってみたかったもん。
どうせ海の向こうに大陸があるんだろうって?・・・ここ、異世界だからなぁ、もしかしたら滝になってるかもしれないじゃん。もちろん海に出る気なんてさらさら無いけどな。したいのは観光であって冒険ではないのだ!
そしてここで悲しいお知らせ
「あ、食料の補充するの忘れてた!!」
まぁ、ひと月分くらいは時空庫に食材は入ってるし飲み物は水も出せるし今なら炭酸飲料も作れるし大丈夫か。
北都を出発してから15日、東都に到着する。
旅路が淡白すぎ?だって歩いてただけでこれと言ったイベントもなく・・・。あれだよ?業務日報にも『今日は一日歩きました。疲れたです』くらいしか書いてないと思うよ?
さすがに幼女を連れた旅で野宿はしたくないのでそこそこ頑張って夜通し歩いたことがあったくらい?
てかさ、その幼女なんだけどさ、歩くのに飽きると蛇になって俺の首に巻き付きやがるの。おんぶさせられたりするよりはいいんだよ?いいんだけどさ・・・。
ちなみに東都のご領主様は『フリューネ侯爵家』。知ってる人だった。
西都は確か『ヴァンブス侯爵家』だったかな?
で、到着した東都なのだが
「特に今までの街と変わらんのう」
「そうだな、まぁまだここから海まではそこそこ距離があるからな」
普通の大きな街でした。まぁ同じ国だから建築物なんかも特に変化は無いしさ。もちろん海まではまだ遠いので潮の匂いなんてものもない。
あ、でも北都や王都と比べると少し焼けてる人が多いかも?もちろん火傷じゃなく日焼けな。
さて、街に着いたからには何を置いても金策である。旅の途中の宿代や何やでそこそこのピンチなのだ。
どこか商店で魔水晶を買取してもら・・・えるかな?
いや、北都ではほら、メイドさん(Cさん)のご家族が経営する魔水晶屋さん(?)が有ったのでそこで換金すればいいやって思ってたんだよ、一応公爵家の人間ってことでどうにかなりそうだし。でもここは東都、当然知り合いの知り合いみたいな便利な商家があるわけでもなく、見た目ただの子供の俺が大店に行って相手にされると思えるはずもなく。
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