第60話 お……お城を作るのです。


おはようございます。

前世で、父親が一国一城の主を目指してお金を稼いでいました。

その背中のカッコ良さを未だに忘れられません。

そんな僕は……元王子ことユーラです。



旅生活75日目。

『常夜の森』での作業もひと段落つき、僕の存在意義も薄れ始めたのでそろそろ帰国? ……を考えていた今日この頃。


旧〝聖樹〟様とエルフ代表と話し合いをしました。

そして、はれてここでのお勤めが終了となりました。

1ヶ月以上の滞在……思ったより長くなってしまいました。


では早速、帰る準備をしようと思った矢先、桜花さんがとんでもない案を出してきた……。



「そろそろ……ユーラにも城が必要なのじゃ」



うん? 桜花さんは何を言っているのかな?

お城? 何故に今?

ってか………ここで? 戻ってじゃなくて?


詳しい話を聞きましょう……。

ふむふむ。はいはい。

詳しくは話せないけど城が必要だと……「ダメ?」って可愛く見上げてこないの……。


「ダメ!」って言えなくなるでしょ……仕方がない……作りますか……。


もちろん、考えがあるんでしょ? 桜花さん?

なになに?


……。

………。

…………はい? トレントで作る……動く城??



桜花さん……何言ってるか……理解できないっす……。



痛い! 痛い!! 叩かないで!!

「桜花さん? 頭……大丈夫?」って、視線を送ったら叩かれました……。


もう、そんな視線送らないから説明して……お願い。



「〝トレント同士の結合化〟スキルを使えば、トレント達で城を作れるのじゃ。しかも、生き物を模倣せば、動かせるはず……そうなれば砂漠も快適に移動できるのじゃ!!!」



ドヤ顔の桜花さん。

何故に僕の能力を、僕よりも詳しいのですかね?

まぁ、空気を読んであえて聞かないけど……。


でも見て桜花さん………エルフの皆さんのお目目がどっかに飛んでいったよ。


え、気にしない……どうでもいい……そ、そうですか。


結局、お目目がどっか行ったエルフ達を放っといて、僕と桜花さんでお城の詳細に話しを進めたのだが……。

桜花さん……「詳細は妾に任せるのじゃ!!」っと教えてくれない。

とりあえず…………僕は城用の樹木を〝植林〟していけばいいそうだ。


木の種類は……〝絞め殺しの木〟……。


物騒過ぎません?

僕、絞め殺されません?

……大丈夫? 本当に……?


まぁ、桜花さんを信じるよ……。

エルフさん達から『ガーラン王国』が伐採していた跡地を借りる。


そこで城の築城? をすることになった。


とりあえず、レッツ〝植林〟? とテンションが高い桜花さんに押されて〝植林〟スキルを使う。


えっと……絞め殺しの木……絞め殺しの木………。


すぐに両手の上に一株の苗が召喚される。

なんだろう? 木の苗は?


早速〝樹木の鑑定〟能力を発動……なになに?


△▼△▼△▼△▼△ ▼△▼△▼△ ▼△ ▼△▼△▼△

名前:無し

種類:トレント(ベンガルボダイジュ)

備考:苗木

状態:健康、敬愛

全高:50cm

緑化力:半径50cm

△▼△▼△▼△▼△▼△ ▼△▼△ ▼△ ▼△▼△▼△


へぇ〜、種類……ベンガルボダイジュっていうんだ……。

〝絞め殺しの木〟って言うから、もっと物騒な名前かと思った。


まぁ、とりあえず……この木をどんどん植えていきましょう。



《備考》

旅生活 75日目(オアシス生活213日目)

※追放から231日

・『常夜の森』派遣隊

   ▶︎ユーラ

   ▶︎桜花さん

   ▶︎ミミリー商隊 12人


・『忘れられたオアシス』住人

   ▶︎フクロウ族 9人


・植林の内訳

  合計植林 1400本(1400/2560)

  【派遣隊】合計335本

   ▶︎桜     1本 ▶︎梨   3本

   ▶︎桃     33本 ▶︎山椒   33本

   ▶︎茶の木   33本 ▶︎柚子   33本

   ▶︎ナツメグ  33本

   ▶︎オリーブ  33本

   ▶︎シナモン  33本

   ▶︎ハナミズキ 70本


  【常夜の森】570本(経験値分285本)

   ▶︎聖樹  1本

   ▶︎結界樹 275本

   ▶︎結界樹(トレント化)285本

   ▶︎ベンガルボダイジュ 9本


  【忘れられたオアシス】合計780本


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いつも読んでいただきありがとうございます。

応援、フォロー、ありがとうございます。

【☆☆☆】の評価の方もよろしくお願いします。

                  同瀬馬野抱枕

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