銀色の曇天

プロローグ

　栄光と繁栄を続けていた人類の輝かしい時代は宙（そら）からの来訪者によって終焉を迎えた。

　宙（そら）から降り注ぐ災厄は接触者（コンタクター）と呼ばれ、その見た目は銀色に包まれた金属生命体である。

　母なる大地に降り立ち、汚染しながら昇華していくその光景はまさに穢され、凌辱されるような喪失感を味わいつつも何もできない人類はただ黙って見ているしかなかった。

　しかし地上の生命の大多数が死滅し、文明のほとんどを失っても人類は生き延び続けていた。

　接触者（コンタクター）による襲撃に幾度も滅亡の危機に瀕しながら生き延び続けた人類は、やがて汚染された大地に耐えうる強靭な身体と敵意から欺く狡猾な知恵を手に入れた。

　滅亡と復興を繰り返して手に入れたそれは果たして生き残るための変異なのか、それとも生き延びるための適応なのか……。

　前時代の滅亡からの約数百年後。記録上、類を見ない早さで人類は復興を遂げ地上に新たなコロニーを形成するまでに至る。

　だが人類は忘れはしない。次なる滅亡に備えて失われた先駆者達の記録を探し求めていた。

　貴方は機械仕掛けの巨人を操り、企業による記録（メモリー）の奪い合うために戦場の地を駆け巡る。