9.プロポーズ大作戦 公爵サイド
私はショックのあまり指一つ動かせなくなった。そんな私の様子を見て、イルミーレの眉が下がる。彼女曰わくほとんど商品が売れてしまったから、との事だったが、スパイとして情報を集め終えたからというのが本当だろう。
なんとか引き留めようとする私だが、帰らなければならない偽りの理由を苦しげに告げるイルミーレをこれ以上追い詰めたく無くて絶句してしまう。イルミーレは悲痛な表情で頭を下げた。
「公爵様には滞在中、格別なご配慮を頂きました。わたくしの様な者には勿体ない程のご厚遇、ご温情を頂き、感謝の言葉もございません」
そして、床に膝を付いた。古式の挨拶でも略式の筈の祈りの姿勢を、膝を汚してまで正式なものにしたところに、彼女の心情が現れていた。
「せめてものお礼に大女神ジュバールと7つ柱の大神にアルステイン・サザーム・イリシオ公爵様の幸運を祈らせて頂きます。神に祈りを」
これに「感謝を」と返答すれば別れの挨拶が成立してしまう。私はイルミーレと別れるつもりなどさらさら無かった。返事をするわけにはいかない。私は彼女を椅子に座らせ、手を握りながら必死に考えていた。
イルミーレを手に入れるための準備は進んでいたが、まだ終わっていなかった。公明正大、誰に憚る事も無くイルミーレを私の元に迎え、妻にする事はこの時点では出来なかったのである。後は、もう強引にでも手に入れるしかない。しかし、それは危険な賭けであった。イルミーレが家族も何もかもすべて投げ打って私の所に来てくれなければ無理なのだ。果たして彼女はそこまで私のことを愛してくれるのだろうか?
私は決心が付かないままイルミーレを見た。彼女は困惑と怯えを微笑みに隠そうとして失敗している。彼女が私と離れる事を何とも思っていなければ・・・。私は弱気になってつい口から了承の返事が漏れてしまった。
「・・・分かった」
私が言うとイルミーレのブルーダイヤモンドの瞳が刹那に潤んだ。イルミーレも私との別れを悲しんでいる。その瞬間、私は決断の川を飛び越えた。
「だ、だが、最後に別れの宴を開かせてくれないか?」
「え?」
「君との暫しの別れを惜しむ夜会を私が開く。それに出て欲しい」
私が言うとイルミーレは僅かに息を吞んだ。彼女であれば私が何かを企んでいるかぐらいは洞察出来たのだろう。イルミーレの「父の許しがあれば」との条件付きの了承を得ると、私はシュトラウス男爵の元に向かい、気合で出席の了承を得た。更にイルミーレを帰りの馬車に送り、帰りの挨拶をしに来たシュトラウス男爵に言う。
「ああ、男爵。明日の何時でも良いので私の軍務省の執務室に来て欲しい」
「は?ぐ、軍務省ですと?」
「そうだ、大事な話がある」
シュトラウス男爵は目を白黒させていたが、了承の返事を寄越した。
翌日、軍務省の私の執務室にやって来たシュトラウス男爵は哀れなほど緊張していた。ふん、この程度の男が私の義父になるのか。トンビが鷹を生んだとはこういう事なのだな。
「まあ、掛けたまえ。急な帰国を聞いて驚いたぞ。貴殿らには楽しませてもらったからな。最後に別離の宴を開きたかったのだ。昨日も一応の了承は得たが、日取りなどの確認をしておきたかったのだ」
「そ、それはもう。私の家族一同、公爵閣下にはご厚恩賜りまして感謝の念に堪えませぬ。最後のご温情、喜んで出席させて頂きますとも!」
男爵は汗を流しながら何度も頷いた。
「それを聞いて安心した。ところで相談なのだが、其方の帰国に際して、イルミーレ嬢を帝国に残して行くわけにはいかぬのか?その間は私が責任を持って面倒を見よう」
男爵は目を丸くし、しばし逡巡したが、首を横に振った。
「そ、そんなご面倒をお掛けする訳には参りません」
「ふむ、其方も知っている通り、私はイルミーレ嬢に少なからぬ思い入れがある。離れ難いのだ。残して行ってはくれぬか?」
「し、しかし、え~、無理です。大変申し訳ありません!いや、直ぐにまた帝国へ参りますので、ご容赦下さい!」
ちっ、ここで男爵がイルミーレを残して行ってくれれば強引な計画を使わずに済んだのだが。やはり大事な娘を異国に一人で残す気は無いか。仕方が無い。私は男爵を笑顔で睨みつけつつ圧力を掛ける。
「そうか。仕方が無い。そうだ。其方が所有している商品だが、ガラクタ一つに至るまで其方との出会いを記念して買い取ろう。だから宴には必ず出席するように」
「あ、ありがたき幸せでございますが、そのような事をして頂かなくとも」
「それから、宴には必ずイルミーレ嬢を出席させるように。イルミーレ嬢が不測の事態で出席出来ぬ場合は宴は延期する。その間は貴殿らの出国は許可出来ない」
男爵は青い顔をして頷く。ここまで言っておけば、男爵が娘を私に渡したく無くて夜会に連れて来ないという事態は起きないだろう。私は確約を得て表情を緩めた。
「男爵にとってもイルミーレ嬢は大切な娘だろうが、私にとってもかけがえの無い女性だ。彼女がどんな選択をしても彼女を恨まないで欲しい。恨むなら私を恨むが良い」
男爵は理解出来無いような顔をして目を瞬かせている。私はこの男から愛娘を奪うのだと思うと少し心は痛むが、私には既にイルミーレを失うという選択肢は無かった。
「宴は三日後の夜だ。招待状は後で送る。ああそうだ。昼食にも招待したいので、昼前には我が屋敷に来るように」
この時点で私がイルミーレを迎え入れるのに必要なハードルは少なく無かったが、一番の問題は、シュトラウス男爵一家がフレブラント王国貴族を名乗っていながら実際はどうも貴族ですらないワクラ王国のスパイだということだ。
スパイの部分は隠ぺいするにしても、イルミーレが平民であるとなると結婚のハードルは非常に高くなる。貴族と平民が結婚出来ない訳では無いが、さすがに公爵と平民が結婚した例は無い。とんでもない貴賎結婚として帝国貴族界で問題になってしまう。
これについてはクリアする見込みはあったが今はまだ無理だった。本当はこの部分を何とかした後にシュトラウス男爵にイルミーレとの結婚を申し込む筈だったのである。私が正式に婚姻を申し込めば男爵は喜んでか渋々かは知らないが結婚を認めるだろうとの確信があった。男爵は典型的な小役人根性の持ち主で、上位からの強い要請は断り切れない性質であるようだったからだ。
しかし、この問題をクリアしない内にシュトラウス男爵に正式に結婚を申し込んでしまう訳にはいかない。シュトラウス男爵が認めて婚約証明書を発行する段階で、男爵は自分の身分証明が出来ず男爵の身分詐称が恐らくばれてしまい、偽装入国までばれてしまい大問題になる。嘘のまま証明書を発行すれば精査する紋章院にバレた段階で婚約は無効になり、私もイルミーレも大恥をかいてしまう。
しかし現時点でこれを回避する方法が一つだけ残されていた。それが「駆け落ち婚」だ。
女性が両親に反対されている結婚を強行する場合、女性が男性の元へ駆け込み、男性が女性を保護し、両親と接触出来ないようにする。その状態で男女の意思が明確なら結婚が認められる。それが結婚を司る神殿も認める「駆け落ち婚」である。
ちなみに、女性の同意も無く男性が女性を攫って無理やり婚姻を結ぶのは「強奪婚」と言って、神殿は認めていない結婚である。
私が狙っているのはこの「駆け落ち婚」だった。私はイルミーレを両親から合法的に強奪するつもりだったのである。駆け落ち婚ならシュトラウス男爵と交わす婚約証明書はいらず、男爵の身分詐称はバレる心配が無い。駆け落ち婚の場合親から切り離されるので女性は身分の無い存在となり、夫が親の代わりにその身分を保障することになっている。つまりイルミーレの身分は私が保障することになる。もちろん誰にも文句は言わせない。
この方法の最大の問題点は、イルミーレが親を、家族を、故郷を捨てて私の元へ飛び込んでこなければ駆け落ち婚は成立しない、という事だった。果たして彼女にそこまでの覚悟があるのかどうか。私はイルミーレが私を愛してくれている事までは確信していたが、何もかもを投げ打つ覚悟まで持っているかには自信を持てないでいた。
もちろん、イルミーレとシュトラウス男爵に最初から事情を話し、了承を得た上で「駆け落ち婚」の茶番を演じる事も考えた。しかし私にはイルミーレは兎も角シュトラウス男爵がそこまで信用出来なかった。何しろ彼は侵攻を企むワクラ王国のスパイなのだ。
なので私は次善の策として、私は彼女に「断る余裕を与えない」ことにした。言い方は悪いが彼女を私のプロポーズが断りようのない状況に追い込み了承させるのだ。そうすればとりあえず駆け落ち婚は成立する。成立してしまえば後からこっそりシュトラウス男爵に使いを出して言い含めるなりなんなりすればいい。イルミーレなら私の意図ぐらいは察してくれるだろう。
夜会の日まで僅かに三日。私は精力的に動いた。まず、帝国の主だった貴族全員に招待状を書いた。私の招待状など召喚状も同義だ。当日には我が屋敷の大ホールに絢爛たる帝国の貴顕たちが勢ぞろいする事になるだろう。続けて屋敷の執事長であるトマスを呼び、宴の準備を頼む。日程は少ないがトマスなら何とかしてくれるだろう。続けて侍女長のエルグリアを呼び、当日のイルミーレの支度を頼む。
「ドレスは急がせるが、下着や靴は間に合わないので其方の見立てで購入を頼む。最高級の物を。宝飾品は母の遺品を引き継いだものがある筈だ。あれを何でも使って構わない」
私が言うとエルグリアは目を丸くした。
「先代皇妃様から引き継がれたものをですか?よろしいのですか?」
「ああ。私の花嫁だと思ってしっかり飾って欲しい」
私の言葉にエルグリアは顔を輝かせた。
「ああ、坊ちゃまが遂にお嫁さんを見つけたのですね!何ということでしょう!お祝いしなくては!」
子供の頃から姉のように私の面倒を見て来たエルグリアは我が事のように興奮し始めてしまった。私は慌てて止める。
「坊ちゃまは止めてくれ。祝いはまだ早い。だが彼女を迎えるためにはこの宴が正念場なんだ。頼む」
「分かりました。侍女全員と入念に打ち合わせた上、旦那様を驚かせるくらいに美しくして差し上げます!」
この気合なら任せても大丈夫だろう。私はイルミーレとドレスと私のスーツの完成を急がせる使いを送り、当日までシュトラウス男爵を護衛、監視する部下を派遣し、万が一シュトラウス男爵が宴の前に逃げ出したりしないよう城門に手配を行うなど、思いつく限りの準備をして夜会の日を迎えた。
当日。私はイルミーレを迎えに出なかった。エルグリアにはイルミーレが来たら直ぐに身支度させるように頼んである。女性の身支度は長い。特にエルグリアは「お風呂から始めますので!」と張り切っていたのでおそらく夜会の時間まで掛かるだろう。楽しみだ。
イルミーレ以外のシュトラウス男爵一家をダイニングで接待する。その席でも私はイルミーレを如何に気に入っているか、別れ難いかを訴えて、男爵に圧力を掛ける。私はイルミーレを置いて帰るなら再び帝国に来た時には叙勲するとまで匂わせ、イルミーレを手放すよう迫った。ここで男爵が同意してくれれば今晩はプロポーズまではしないで済む。
しかし小役人根性の筈の男爵は頑なに拒否した。確かに仲の良い家族には見えたが、こうまで抵抗するとは意外な気がした。平民の軍人で身分を偽って敵地に潜入する程なのだから意外に胆力のある男なのかもしれない。私は将来の義父の評価をやや上方修正した。
食事を終えると男爵一家を待合室へ送り、私も身支度をする。イルミーレのドレスと対になるように造った白基調のスーツである。所々とネクタイにイルミーレのブルーダイヤモンドの色をあしらってある。私も専用の待合室で待つ事しばし、扉が開いて私の女神が現れた。
想像通りで想像以上だった。あんな古ぼけたドレスであの美しさなら、本気で着飾らせたらさぞかし美しかろうとは思っていた。そういう意味では想像通りだった。しかし、それはもう美しいなどと言う言葉では表現が追い付かないような輝かしい姿であった。
すらりとした身体を包む白と緑のドレスは彼女の肢体を滑らかに包み輝かせていた。いつもにも増して輝く緋色の髪は複雑に編み込まれている。艶のある肌に僅かな色が載せられ、唇はローズピンクに染められ、ブルーダイヤモンドの瞳は心なしかいつもより大きく見えた。そして私が母から受け継いだ家宝とも言うべき装飾品は彼女の美しさ増しつつ、より豪奢に見せていた。デコルテを飾るルビーのネックレスは伝来の秘宝で母も気に入ってよく付けていた。そして繊細な細工が美しいティアラ。これはやはり母が結婚式の時に作らせたものだと聞いた。
想像以上だった。まるでお姫様だ。隣に立つ自分がみすぼらしく見えないか心配になるレベルだ。エルグリアよくやった。さすがだ。グッドジョブだ!
「綺麗だよ。イルミーレ」
私がそう言うとイルミーレは頬を染めて俯いた。これなら大丈夫だ。私は勝利を確信した。
私の屋敷は元々は皇族所有の離宮の一つで、私が皇籍を離れる時、皇帝陛下に賜った。そのため、その威容は帝宮に匹敵する。特に屋敷から張り出した形になっている大ホールはこれを造った派手好きの皇帝の趣味が満載されており、とにかく絢爛豪華であった。私は日ごろその豪華趣味をあまり好んではいなかったが、この日のように出席者を圧倒するにはこのような絢爛豪華さにも意味があるのだな、と気が付いた。
そう。今日の私の目的は、帝国の上級貴族に、私とイルミーレの威厳を示し、圧倒し、有無を言わせず私とイルミーレの関係を認知させることにある。そのためには皇帝の弟であり帝国唯一の公爵であり、皇位継承権第一位であるという自分のあらゆる称号さえ総動員して貴族たちを威圧する必要があった。そのための私達の装いである。特にイルミーレが皇妃であった私の母が結婚式で使っていたティアラを被っている事には特大の威圧が込められていた。
しかしそんな権威を被らなくても、イルミーレの態度は威厳に満ちていた。鷹揚に帝国の貴顕たちの挨拶を受け、一人一人の名を呼び声を掛けるその美しい姿を見て、彼女にケチの付けられる者など誰もいなかった。かつてイルミーレに絡んだ高位貴族の令嬢達も圧倒されて頭を下げている。
ああ、やはり彼女は、男爵令嬢などより公爵夫人である方が相応しい。私はそう確信した。
ここまでは完璧な筈だ。貴族たちは私達の威厳に飲まれ、私たちの関係に異議を唱える者はいない。今ここで異議が唱えられないのであれば、これ以降何を言っても「なぜ婚約前のあの時に異議を唱えなかったのだ」と言って退けられる。イルミーレは公爵夫人として帝国貴族界に受け入れられたと言って良いだろう。
そしてイルミーレも特に現在の状態を嫌がったり怖れたりしていないように見える。少しいつもよりも微笑が固いが、緊張しているのだと思えば普通のレベルだろう。拒絶や逃げたがる様子は見られない。これなら受け入れてもらえる筈だ。
良し。やるぞ。私は決意した。私は彼女の手を取ってホールに躍り出た。呼吸もぴったりにダンスをこなす。周囲の人々の注目が集まり、感嘆の声さえ聞こえる。回りながら、彼女を抱き寄せながら、彼女の美しい姿を堪能する。ふと、目が合うとイルミーレが微笑みを深めた。その笑顔を見てなぜか心がざわめいた。なんだか儚い感じがする笑顔に見えたのだ。しかしそれは一瞬。
曲が終わり、私はイルミーレを階段の下へと導いた。ここで彼女にプロポーズして、了承を得たら彼女を抱きかかえて階段を上り屋敷に飛び込んで彼女とシュトラウス男爵を隔離する。それで駆け落ち婚は成立する。
私は水のグラスを取り、半分飲み、イルミーレに渡した。そしてゆっくり膝を付いた。相手の女性を女神に見立てる正式な作法だ。なので手は胸に当てるが視線は女性に向ける。
「大いなる女神ジュバールの名の元に私は宣誓する!何時いかなる時も君を愛し、守り、慈しむと誓う。嵐吹き荒れる海も吹雪に凍える荒野も君となら渡ってみせよう」
私は胸ポケットに入れていたエメラルドの指輪を取り出した。そして右手で最愛の人に捧げる。
「結婚して頂きたい!」
完璧なプロポーズだ。と私は内心で自画自賛した。この状況、この疑いようも曲解のしようも無い私の愛の言葉。絶対に断れ無い状況が完成したのだ。イルミーレに私と結婚する気が少しでもあるなら絶対に断れ無い筈だ。さぁ、そのグラスを飲み干し、私に左手を預けてくれ。
しかしイルミーレは左手で口元を隠し、困惑を表現したまま立ち尽くしている。何を迷っているんだ。早く、その左手を・・・。
私の心に不安が湧き上がってくる。あたかも戦場で後背に敵の伏兵を察知した時のように、言いようのない戦慄が背筋を走った。何か自分の予測していないこと、計算外の事が起きた時のおぞけだった。私はイルミーレに呼び掛けようとした。その時。
「ぐ・・・」
イルミーレのブルーダイヤモンドの瞳から涙が溢れ出した。こらえようと下を向くがポタポタと音を立てて涙が床を濡らす。
「い、イルミーレ!」
私が腰を浮かすのとイルミーレが手を滑らせてグラスを落とすのは同時だった。グラスが砕け散る。そしてイルミーレは蹲るように床に倒れ伏した。
「イルミーレ!」
私は駆け寄り抱き起そうとしたが「いけません!」と叫ぶトマスの声に思わず足を止める。
「いけません旦那様!プロポーズの返事をされていない女性に触ってはなりません!」
そう。プロポーズの返事をしていない女性を男性側が触ると強奪婚の意図ありと見做されてしまう。うぐっと立ち尽くす私を押しのけるようにトマスが駆け寄り、イルミーレを助け起こす。完全に意識を失っているようで顔に血の気が無い。私は触れないまでも必死に呼び掛ける。
「イルミーレ!大丈夫か!イルミーレ!」
「気を失っております。親族の男性の方、力をお貸しください!」
トマスの呼びかけにイルミーレの兄が駆け寄り、イルミーレを横抱きにする。トマスがさっとティアラを外したのが見えた。
「お部屋を用意します!こちらへ!」
「分かった」
イルミーレは彼女の兄に抱き抱えられ、母親に見守られながら退場して行く。私は立ち尽くして、それを見送るしかなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます