フィニッシュ!

「揃いも揃って旨そうじゃあないか……」

 狼男がそう言って私たちを舐めるように見る。かなりの恐怖を感じます!


 「赤坂は奴の関節部を、ヘンリーは爪を狙え、メアリーは2人の援護を、今の奴は銃を所持していない。最悪殺してもいい、活動を停止させるんだ。 私は車からレールガンを取ってくる、任せたぞ!」

 イヴァークさんが車に向かって走ると同時に、赤坂さんが狼男に刀で斬りかかった。私はすぐにレーザーガンで援護をする。


 刀の一撃は、足の関節を切り裂き、狼男の動きを少し鈍らせた。チャンスだ!


 ジュッ、とレーザーが鎧に傷をつけたが、致命傷にはならない。狼男が空中へと足のブースターを使って飛び、クルクルと回転した。


 「奴が何をしているかは気にせんでいい! 儂はとっておきの技を準備しておる! お嬢さん、サムライ、援護してくれ!」


 狼男は回転を更に早める。そして、私たちへ飛んだ。


 「赤坂さん! なんかヤバそうですよ!」


 「回転の隙間を斬る。お主は奴を適当に撃っておくのが良い、あとはカウボーイがやってくれる」


 狼男は爪を突き出し、飛んでくる。私は言われた通りレーザーガンで射撃した。レーザーは爪で弾かれてはいますが、効いてることを願いましょう!


 キンッと斬撃の音が響いた。狼男の片腕が跳ね飛ぶ、着地に失敗した狼男は、墜落した瞬間、ヘンリーさんの放った曲がる銃弾に爪、手、両足、と貫かれ、うつ伏せに倒れた。美しさも感じる連携です!


 「ガアッッ…ギィィィ… 優しい攻撃じゃないか、私の生命活動を止めなくて良いのかね?」


 「タフな奴じゃ、若いって良いのう」


 「後悔するぞ? ここからだ、ここからが! チップの真骨頂だ!」


 「そうか、だが、お主はもう終わりらしいぞ?」


 イヴァークさんがレールガンを発射したのが見えた。狼男の頭が消し飛び、生命活動が停止する。


 「やりました! やりましたね! クズを冥府に送ってやりました!」


 「メアリー、落ち着け。こいつは何を使ったんだ? 新種の強化剤かもしれん、遺体を持ち帰り調べる必要がある」

 イヴァークさんはそう言うと端末を取り出し、回収部隊へ連絡をしました。確かに異様な変形でしたね、何か良くない予感がしますが、今は祝いの時でしょう!


 「回収や、その他諸々が終わったらみんなで打ち上げでもしましょう! 私の初任務完遂祝いです!」


 「それもいいかもしれんのぅ、祝いは人を明るくする。 サムライ、イヴァーク、どうじゃ?」


 「拙者は構わん。酒は好きだ」


 「私もその他諸々が終わったら参加するとしよう。盛大に祝ってやる」


 よっしゃあ! 打ち上げです! スキップしながら私はみんなより一足先に車へ乗り込みました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る