ジャガーノート
一発の弾丸が、敵役のロボを五体まとめて貫いた。何が起こったのか、私は一瞬驚くことすら忘れ、呆然としていた。
「ビュ、ビューティフォー… カウボーイ」
「歳じゃ、かなり衰えておる」
ビーッ! ビーッ! と警報が支給された腕輪から鳴り出した。事件か!
「どうやら、任務の時間が来たようじゃ。お嬢さん、期待しておるぞ?」
「ま、任せてください! 決めてやりますよ!」
初の任務、どんなのなんだろう? やっぱ市民相手なのかな? 私とヘンリーさんは指示統括室という所に向かう。そこでイヴァークさんから任務の詳しい内容が説明されるらしい。
「よし、全員集まったな? 今回の任務はかなり単純だ。目標はジャガーノート杞憂団、団員どもが寄せ集まり、ホームレス達を襲っているとの報告だ」
イヴァークさんの言うジャガーノート杞憂団は、ここ最近に、主流のテロ集団であるグランドヒーローズから派生したかなり新しいテロ集団だ。私の持つスーパーネットワークからの情報だと、団員は分厚い装甲服に身を包み、ミニガンを撒き散らす危険な相手。腕がなりますね。
「分署から派遣される隊員はいるのかのぅ?」
ヘンリーさんが言った。
「今回は恐ろしがって誰も来ていない。したがって、この四人で制圧することとなる。この映像を見てくれ」
映像内では、装甲服に身を包んだ男たちが、弱者を蹂躙する姿が生々しく映されていた。
「我々は天より選ばれし代行者なり! 貴様ら下僕共の悲鳴を天は聞きたがっておるのだ…… 贄となれぃ!」
悪趣味な金色のサイバーアーマーに、ジャガーノート杞憂団のエムブレム、こいつがリーダーでしょう。殺しがいがありそうです。
「奴らは今堂々と街道を歩いてやがる。弾をぶち込んで、天に返してやれ。細かいことは鉄鋼車の中でだ。初仕事だぞ、メアリー」
「血祭りにあげます!」 「その調子だ」
私たちは全長70mはある巨大な鉄鋼車に乗り込んだ。
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