『ごみの国の王様』

やましん(テンパー)

『ごみの国の王様』

 『これは、ナンセンス・ホラ・おとぎ話し、であります。現実とは、一切無関係です。また、とくに、教訓などはありません。』





 むかしむかし、あるところに、『ごみの国』が、ありました。


 まあ、それなりの領土を持つ、海の中にある王国です。


 荒れた土地が多くて、あまり平野はなく、若者は少なく、老人ばかりの国です。


 もちろん、勢いがあった時代も、過去にはありました。


 世界を敵に回して、戦争もしましたが、いまは、みる影もありません。


 複数回起こった、カルデラ超噴火や巨大地震と津波などの破局的自然災害が、その最大の要因です。


 この国は、長い間、国王を頂点にした、立憲君主制をとってきていました。


 いまや、もはや滅亡か、という危機が迫ったときに、国王はありそうにない政策を打ち出しました。


 『王国ごみ処理工場化計画』です。


 生き残りの、あまり多くはない一般国民は、国内でも被害が比較的に少なく、他よりは、まあ、住みやすい、デース・ランドに移住させ、それ以外の地域には、さまざまなごみ処理施設を設置し、世界中から、あらゆる、さまざまな廃棄物を受け入れたのです。


 もちろん、お代は頂きますが、各国が独自に処理するよりは、輸送費を考えても、ぐっとおやすめでした。


 世界中から、ひきあいがあり、たくさんのごみが集まりました。


 おかげで、地球のたくさんの街が、かなり、きれいになりました。


 また、ごみは、宝の山でもあります。


 いろんな副産物があります。



 大多数の国民は、これに関する仕事に就いていましたが、ロボット開発には昔から強かった経緯もあって、危険な作業………たとえば、放射性廃棄物の廃棄処理とか…………は、ロボットさんが、実行しておりました。


 そこで、国民の食糧の半分は、輸入でしたが、残りの半分くらいは、大量に工場生産される昆虫類や、野菜類が主体で、いざとなれば、それで自給もなんとか可能でした。


 たいへん、破天荒なやり方でしたが、王国の経済は、ふたたび、かなり、豊かになったのです。


 それで、国民は、まずまずの生活が出来ていました。



 しかし、王様は、実は、悩んでいました。


 はたして、今のままで良いのだろうか。と。


 

 

     ・・・・・・・



 王様は、自分の始めた事とは言え、王国の未来を愁いまして、ある日、おてんとまさに、お伺いをたてました。


 『いまのままでよければ、なにもおこさず、良くなければ、大地を揺すってお知らせください。』


 二日後、王国は、また、激しい地震に襲われました。


 あの大天変地異の再来以上の、大変な地震でした。


 大地は激しく上下左右に揺すられました。


 それで、なんと、王国の全体が、おおかた、平らになってしまいました。


 なので、結局王国も無くなりまして、やり直しになりました。


 自然とは、かく、無慈悲なものなのであります。


 いざとなれば、なんとかして、逃げるしかないのです。


 王様は、いろいろ追いかけられながら、なんとか生き残りましたが、そのさきどうなったのかは、伝わりません。


 やり直しになった国が、どこにあったかも、わかりません。


 たぶん、150万年以上は、前のお話だとも、いいますが、なんのことやら、実は、よくはわかりません。


 もしかしたら、むかし、人類が住んでいたという、幻の星、『地球』の話し、かもしれません。


 




 

 


 

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『ごみの国の王様』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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