琉球ガラス

島尾

スカイブルー

 琉球ガラスを最初に知ったのは、中学の修学旅行で沖縄に行ったときだ。正確には、沖縄へ行く数日前に学校で見させられた「美の壺」がきっかけだった。


 NHKで放送されたそれは、私に沖縄の美がいかに新鮮かを教えた。


 琉球ガラスは基本、ゴミになった瓶を融解して作る。純度という観点から見れば、石英をそのまま融解して作ったほうが透明感が出て綺麗にできそうだ。


 気泡が点々と無秩序に並んでいる様子は、耐久性の観点からすれば問題になるだろう。気泡が無いほうが丈夫だし、ひょっとしたら芸術的価値が高まるかもしれない。


 琉球ガラスは、そういった「高みを目指す」作業だけで美が語られないことを証明しているといえよう。


 ゴミからきらびやかなグラスが誕生することに、私は感動する。

 気泡が無秩序に、ときには無秩序から生まれた秩序を持って存在する様子に、自然の広大さと、ありふれた身近な場所に対する美を見出す。




 社会は、常に成長を求められている部分が大きい。よりストイックに、一生懸命に、山の頂上を目指すような姿勢が美徳かつ優秀とされているだろう。それはそれで素晴らしいと思う。ただ、5~6合目くらいの小屋で琉球ガラスを作っている職人は、遥か彼方の空のあおを見続けているだろう。ああ、なんと美しきかな。

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琉球ガラス 島尾 @shimaoshimao

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