第二十五話 蹂躙
空にいるトカゲは全部で五種類。
バリバリ電気を帯びた黄色いトカゲ。
ウルウルした水々しい青色のトカゲ。
わしゃわしゃ全身に植物が生えている緑色のトカゲ。
ゴツゴツしている茶色いトカゲ。
カチカチ全身が凍った白いトカゲ。
だ。
「ちゃっちゃと終わらすか」
パキパキ首の骨を鳴らし、私はジャンプして手始めに一番近くにいた黄色いトカゲの顔を殴り消す。
「ゴロッ……!」
「手がピリピリするが、まあ雷程度の威力だな」
「ギャロロロ!」
緑色のトカゲが全身からトゲトゲの木でできた槍を雨のように飛ばしてきた。
が。
「チクチクするけどそれだけだ」
体にぶつかる木の槍を無視しながら緑色のトカゲの腹を殴り消した。
「ギャロ……!」
そして緑のトカゲを足場にして勢いをつけジャンプし、すぐ隣にいた青色のトカゲのヌルヌルする顔を殴り消す。
「ミョロ……!」
パァン!
「うわ、弾けたぞコイツの顔。シャボン玉みたいだ」
「シャロロロ!」
白いトカゲが空気を凍らせながら氷を吐き、死んだ青色のトカゲの体ごと私を凍らせた。
が。
「ふん!」
力づくで纏っていた氷を割り、白いトカゲの脳天に踵落としをくらわす。
「シャロッ――!」
グニャっと顔が潰れて白いトカゲは顔から地面に落ち、首が埋まって大地から体が生えてきたような感じになった。
「花みたいで綺麗だぞトカゲ」
「ドロロロ!」
今度はいつの間にか地上に降りていた茶色いトカゲが、空にいる私に向かってキラキラした岩の弾丸を打ち出す。
「硬いな。これ全部ダイヤか」
私はダイヤの弾丸をパシパシ平手で叩いて割りながら茶色いトカゲのいる地上へ急降下した。
「死ね」
「ドロッ……!」
真上から茶色いトカゲの脳天を殴り、羽以外のパーツが全部消し飛んだ。
「終わったか」
私はぱんぱん体から土煙を落とし、死屍累々の光景を横目に皆が寝ているログハウスへ戻る。
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