第二十四話 ログハウス

「これで最後の一本だ」


 最後の丸太を投げ、ジャンプしてその丸太に乗り、飛んで帰る。


「ただいま」


 地面にぶつかる前にジャンプして丸太から降り、みんなの元へと戻ると。


「クロノ。敵襲。敵襲だよ!――ウプっ」


「クロノ殿。大変っす突然丸太が空から――ウプっ」


「クロノ。てき――ウプっ」


「その丸太から離れろ。クロノ。今我が燃やして――ウプっ」


 と今にも吐きそうな顔でただの丸太と戦おうとしていた。


「お前ら落ち着け。この丸太は全部私が用意して投げたものだ。だからお前らは気にせずそこで休んでいろ」


「「「「ええっ!?」」」」


 真実を伝えた瞬間。安心したのかもれなく全員地面に吐いた。

 私はその光景を横目に。投げた丸太を複数肩に担ぎ。


「さて。組み立てるか」


 秘密基地を作るような感覚で丁寧に木々を並べていき、はめるところは素手でいい感じにくり抜いたりして全部の木を組み立てることおよそ10分。


「む――。

 よし、完成だ」


 指で角度などの最終確認を終え、ようやく皆が休めるログハウスが完成した。

 それと同時に、ログハウスを覆うようにして複数の影が重なったが、私は気にせず倒れている皆を肩に担ぎ。


「私の自信作だ。中でゆっくり休むがいい」


「ちょっ、クロノ。それどころじゃ――!」


「クロノ殿。空がヤバいっす!」


「クロノ。うえ、うえ!」


「空が大変な事になっているぞ!」


「まあまあ」


 空を見てパニックになっている皆を落ち着かせる為、ゴリラの毛皮を大量に使った人数分の超ふわふわベッドにそれぞれ置いて休ませる。

 あとゴリラの血をログハウスの周囲に撒いたから、リラックス効果も得てすぐ気分も落ち着き体調も良くなるだろう。


「「「「待っ――!」」」」


「さてと。後は――」


 ベッドの上にいるみんなが何か叫んでいるがそれを無視し、パキパキ指の骨を鳴らしながら、ログハウスを出てすぐ上を見上げる。


「シャロロロロロ」


「ギャロロロロロ」


「あのトカゲどもの始末をするだけだな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る