2-2 思い出せない
「ただいまー。お母さん、いつも来る子の名前分かったよお」
僕は早速お母さんに報告に行った。
「そう、なんていうの?」
洗濯物をたたみながらお母さんは聞いてきた。
ところが、今まで言おうとしていた名前が、また思い出せなくなってしまった。
「あのね、あの……あれ?」
本当に家に入るまで、「ただいま」って言うまで覚えていたはずなのに、一文字も出てこなかった。
僕は結局、何かが喉ーーと言うか頭につっかえたような感じで、宿題をし、夕飯を食べた。
そして八時になって「8時だよ全員集合!」を見る頃には、すっかりそのことを忘れていた。
僕はいつものように、加藤茶や志村けんに大笑いして見ていた。そんな時、眼鏡のあの人ーー仲本工事が、いかりや長介に頭を叩かれたのを見て、僕は声を上げた。
「あっ、コウジ、お母さん、コウジだよ。思い出した」
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