第55話 邪魔
「ソフィアちゃん!!!」
気が付くと、ジャイルさんの研究室で私はジャイルさんに抱きかかえられていた。
「あー……?」
私が横を向くとテオさんもホットした顔をして
「【錬成】した途端、光に包まれて意識を失ってたんですよ。大丈夫ですか?」
そう言われて私ははっとする。
そうだルヴァイス様のエリクサーを作ってたんだ!!
レイゼルさんのペンダントが光って光に包まれて……そこで意識をなくしちゃった!?
あれ、私どうしたんだっけ?
私が慌てて作った方を見ると、テオさんが微笑んでくれて、「さすがソフィア様ですね」って光る液体の入った瓶を渡してくれる。
「……あー」
これってもしかして。
「はい、鑑定結果ではエリクサーでどんな症状も治すと鑑定ででました」
じゃあ、ルヴァイス様が治せる!!
うれしくてテオさんとジャイルさんの顔を見たら二人とも笑ってくれて、キュイもキュイーって肩にのってくれた。
嬉しい、私でもルヴァイス様の役にたてる!!
待っていてねルヴァイス様!!今行くよ!!
そう思って、私はちらっと視界に入ったレイゼルさんにもらったペンダントを見る。
「ソフィア様?」
立ち止まってしまった私にテオさんが声をかけてくれた。
私はううんって首を横に振って微笑んだ。
……何か大事なことを忘れてしまった気がするのは気のせいかな?
◆◆◆
「がはっ!!!!」
精神支配の術をルヴァイスから跳ね返された事で、大司教の魂は肉体に戻った。
無理やりルヴァイスの精神世界から追い出されたせいで、思った以上にダメージをくらい、大司教はその場に倒れこむ。
「くそっ!あともう少しだったのに……っ!!」
ルヴァイスの精神を壊し自我を崩壊されるまでもう少しというところで邪魔が入った。
何者かはわからないが巨大な力を持つ何かに大司教は無理やり精神世界からはじき飛ばされたのだ。
もし失敗しても、ルヴァイスの記憶には残らないように処置は施してあったが……。
記憶には残らなくても大司教に対する不信感ははっきりと植え付けてしまっただろう。
「くそっ!! 一体誰だっつ!!!」
大司教は床を思いっきりたたきつけるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。