第36話 ほのぼのメンテナンス、次のイベントへ
「のの花~、もう飽きたよ~。SSOやろうよ~」
「花音……SSOはメンテナンス中だってば」
のの花と花音の部屋。
今日はSSOが一日メンテナンスのため、部屋でダラダラと過ごす……はずだったのだが。
「ほら、花音。やんないと、メンテナンス終わってもSSOできないよ」
花音がまたしても課題を出されたため、のの花が勉強を教える羽目になっている。
とはいえ、のの花も別に成績がいい訳ではないため、2人で苦戦しているような状況だ。
「もういいよ……勉強は捨てたよ……」
「燃えるゴミ?」
「違う。資源ゴミ。それで私は社会のゴミになる」
「うまいこと言った感出さなくていいから。ほら、頑張って」
のの花は姉を勉強に向かわせつつ、スマホをいじり始める。
SSOの情報をチェックしているのだ。
能力は上級者でも、プレイ歴では初心者。
もっともっと、VRMMOに関する知識を仕入れておく必要がある。
「おっ、第2回イベントの開催が決まったんだ」
「マジ!?」
のの花の呟きに、花音が食いついた。
「花音は勉強しないと」
「ちょっと休憩だよ。で?第2回イベントって?」
「休憩も何も、ほぼ進んでないじゃん……」
のの花はため息をつきつつ、花音にイベントの告知ページを見せる。
開催は1週間後。形式は宝探しイベントのようだ。
順位は特に出ないらしい。
「な~んだ。ギルド対抗戦じゃないのか~」
花音が不満げな様子を見せる。
「おとぎの国」がその力を見せつけるのは、もう少し先の話になりそうだ。
「マップに散らばったコインを集めれば、スキルや装備と交換できるらしいよ。たくさん枚数を集めれば、レアなものが手に入るみたい」
「そっか。対抗戦じゃないのは残念だけど、頑張るとするかね」
「そうだね。とりあえず、課題を頑張ろうか」
「うぇ……」
宝探しイベントでは、第二層が舞台として使われるらしい。
イベントまでの1週間で、第二層を一通り見ておく必要がありそうだ。
「銃の出番はまだ先だなぁ……」
のの花は、花音に聞こえないくらいの声で呟く。
獲得した設計図をもとに、機関銃と銃弾は完成させた。
しかしタイミングが合わず、まだ誰にも完成品を見せられていない。
宝探しイベントでも戦う場面はあるだろうが、隠し玉はここぞという時のために取っておくべきと、さっき見た攻略サイトに書いてあった。
SSOでは掲示板で情報が共有されるため、様々な出来事が簡単に広まっていく。
特にのの花は注目されているプレイヤーなので、銃など使えばすぐいろんな人に知られてしまうだろう。
「取りあえず、1週間後のイベントを頑張るとするか」
「そだね」
「花音はちゃんと勉強して」
再び花音を課題に向かわせると、のの花は第二層のマップを眺め始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます