『転生』という病の国

第1話 命を終えた

 私は交通事故に遭い、命を終えた。




 人間不信に苛まれながら、パートタイマーを惰性で続けていたような、おそらく典型的な日本人の一人だったが、ここで二十二年の生涯を終えて悔いなしと言える程達観してはいなかった。


 もっと色々頑張れた。

 結婚を一度は経験してみたかった。

 いや、本当は結婚に囚われていた訳ではなく、一生この人の傍に居たいと思える相手と出会ってみたかった。





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