透明な世界
バブみ道日丿宮組
お題:限りなく透明に近い小説トレーニング
透明な世界
毎日本を読んで、毎日文字を、毎日文章を、書く。
いわゆるインプットとアウトプットの積み重ねが結局のところをしめる。
それは絵を描くというのも一緒で何度も繰り返すことで、自分の味というのを表現してくものなのだ。
だからこそ、僕は毎日の登下校……起こってる出来事を文章にする。
それを真面目に見るのが辛いからというのもあるのだが、どうしてそれをするのか。何度も自問する。
あとで使うのか、投稿するのか?
「……」
興奮してる自分は混ざりたいと思ってるのか?
助けたいと思ってるのか?
かれこれ1ヶ月悩み続けてる。
電車内。いわゆる車内で起こるそれはただの犯罪行為だ。
愛撫行為といえばいいのか。それを電車内の女子生徒は今日も同じように受けてる。さすがに乗ってる女子生徒はいつも別人ではある。
女子生徒は胸を露出させられたり、陰部が露出させられたり、かなり裸体を出してる。
AVかなにかで瞬時に下着姿にさせられてたりするのを見たことがあるが、あれと同じだった。むしろ現実のほうがスピードが手っ取り早く、陰部への挿入を完了させてる。
周りの男たちは止めることもなく、むしろ参加する。
いったいなぜ?
理由はわからない。
この時間、この車両、この扉の前。
それはまるで切り抜かれた世界のように浮いてる。
女子生徒がただ痴漢され、レイプされるためだけにこの世界は存在してる。
これを楽しみにして、毎日の苦痛を少しでも癒そうとしてる男たちが彼らなのかもしれない。
喘ぎ声、悲鳴。そんなものが聞こえてくる。
けれど、けれども、誰も助けようとはしない。
スマホをいじったり、新聞紙を広げたり、本を読んでたりと、自分には関係ないとアピールしてる。
それは座ってる自分の席の真ん前でセックスをしてても同じ。
物体が透明化してるかのごとく、干渉がない。
僕はその行為をひたすらスマホに書き続けてる。
表情や、汗、体液に至るまでを記録してる。
終着駅にたどり着き、ようやく女子生徒は開放され、僕も執筆をやめる。
これが毎日の出来事。変わらない日常だった。
透明な世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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