第54話 集合



「私と共に新しい王国を作りましょう!!!!!

聖女様!!!!!」


体勢は変えず、少しずつこちらに近づいてくる様子が恐ろしすぎる。


「お断り致しますわ!!!!!

私は身も心もエリック殿下の物です!!!!!

殿下以外の方と添い遂げる気はございません!!!!!」


ああ〜!!!

こんな状況じゃなければ死ぬほど嬉しい言葉なのに!!!


「そうですか、、、。」


ケビン先生は下を向いたまま、静かに立ち上がる。


「では、あなたも消えて頂きましょう。

あなたが消えれば、次の聖女が現れる。

私の言うことを聞く聖女が現れるまで、何度でも繰り返す。」


ケビン先生が内ポケットから小瓶を取り出した。

もうダメだとアンを抱え、目を瞑る。


「俺の娘には指一本触れさせないと言っただろう?」


ケビン先生の背後に立っていたのは、フェイン伯爵だった。


「伯爵!!??

どうしてここに!!??

先程爆破したのに!!??」


「爆発物は剣で防いだ。

ただ、爆風で吹き飛んで頭を打ってな。

意識を失ってたみたいだ。」


さすが、伯爵。

剣の腕は一流だと聞いていたが、まさかここまでとは、、、。


「俺には息子が居るんだ。

誰よりもアンを愛し、生涯アンを守り抜くと誓った息子がな。」


扉の方から歩いてきたのはエドワード様だった。


「お兄様!!!

ご無事だったのですね!!??

良かった、、、。」


エドワード様の姿を見ると、アンが安心した表情を見せた。

まだまだこの人には敵わないと思った。


「お前が、僕のアンを泣かせたのか?

お前が、アンを傷つけたのか?

妹を傷つける者は誰であろうと許さない!!!!!」


シスコンと呼ばれるほどアンのことを愛しているエドワード様。

今まで見たことがないほどお怒りになっていた。


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