【75】 遊びに行きたいメイドさん

「ところでカイト様……お願いがあるのですが」

「いいよ、ルナの願いなら何でも聞いてあげる」


 このうるわしのワンピース姿のルナになら、何をお願いされても許せちゃう。可愛いは正義だ。


「えっとですね、帝国へ旅立つ前に遊びに行きたくて……その、みんなと一緒に」

「え……遊びに? まさか、それでそんな姿を?」

「はい。ワンダに見繕って戴いたのです。それで、その……帝国へ向かうとなると遊んでいるお暇がないかもしれませんから、今のうちに『海』へ行っておきたいのです」


「う、海?」


 海とはな。

 この【セイフの街】からはそう遠くないし、徒歩でいける距離だ。うん、たまには気分転換にいいだろう。しかも、ルナからのお誘い。断るなんてとんでもない。

 どうせ行くなら水着とかも欲しいかな。


「あたしも賛成! スイカ割りしてみたい!」

「――って、うわっ! ソレイユ、お前いつの間にいたんだよ!」

「気づくの遅いわね。ちゃんとノックして入ったけど」

「ウソ……」


 ルナのワンピース姿に見惚れて気づかんかったな俺。

 それほどに、今のルナには宝石以上の魅力があった。いや、普段もだけど! ――ああ、ずっと抱きしめていたいほどに愛おしいな。


「でも、私は水着を持っていませんよ」


 さらに、ミーティアも隣にいた。びっくり!


「ミーティア、お前もいつの間に自生してきた!?」

「私もノックしましたけど」

「そ、そうか……」


 マジか!

 俺は、それほどルナだけ・・にフォーカスを合わせて、魅入ってしまっていたらしい。いや……でも、あれはどんな男でも恋に落ちるって。


 ワンピース姿だぞ。あんな白肌で、胸とかお尻を強調させている。そして、何よりも注目すべきは大胆に露出させている大きな胸の谷間。反則級というか、もはや凶器である。……うわ、つい直視してしまった。……すげぇ。柔らかそ…………イカン、鼻血の激流が!!


 鼻を必死に押さえていると、わざとなのかルナがかなり接近してきた。


 ち、近ッ!! すっげぇイイ匂い!!



「大丈夫です。こんな事もあろうかと、水着は準備済みです!」



 明るく答えるルナは、水着を人数分取り出した。

 どこから出した!?

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