【47】 エクサニウムを求めて

 外へ向かうと、バオは汚物クソに塗れていた。


「…………く、くそぉ……。男たちを使ってカイト、貴様を見つけ出したというのに……」

「まさか、バオ。お前が今まで送り込んでいたのか!」

「……へ。ったりめぇだ。ギルドを追放した直後、貴様のうわさが流れたからな。今やお前はシャロウにとって危険人物なのさ……これから貴様は命を狙われることにな……ゲロゲロ」


 異臭とかにやられたバオは、失神した。


「困ったな……放置しておこう」


 よくよく考えれば、俺には関係なかった。

 これ以上いると、俺まで臭くなりそうだ。帰ろうっと。



 店に戻ると、玄関がかなり破壊されていた。昨日の男の件とかあったしな。しかし、今までの男たちがあのバオ――いや、シャロウが裏で糸を引いていたとはな。

 これは要警戒だな。


「んー…玄関どうしようかな」

「きゃ! げ、玄関が……なくなっています」

「おはよう、ルナ」

「カイト様。これはどういう事ですか!?」

「かくかくしかじか」

「……そんな事が」


 それで理解してくれるのかよ!


「となると、玄関をより堅牢けんろうにする必要があるかもしれませんね」

「ああ、こう何度も破壊されてはかなわん。そこで、俺は売上金を使って玄関を修理し、強化しようと思う。鉄製とか最強の硬度をほこる『エクサニウム』製にすりゃいいだろう」


「エクサニウムですか。それって、超高額な金属ですよね」

「そ。武器とか精錬せいれんにも使われるから高需要。でも、俺には金あるし」


 さて、材料は『鍛冶屋』かな。

 それとも――『錬金屋』か。

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