結婚式を2人でしていた件

一色 サラ

結婚相手

「新井さん、結婚式したんだってね。だれか、呼ばれた?」

「会社の人は誰も呼んでないらしいです。」

「菜月ちゃんも呼ばれてないんだよね。」

「はい。美保曰く、今回は2人ですることになったそうで親も呼んでないと聞いてます。」

「そうなんだ」

 井塚いづか菜月なつきは社員食堂で、3年先輩の大島 小豆あずきと食事をしていた。

 寿退社することになった新井美保とは、菜月は同期入社で、仲は良かった。まあ、呼ばなかった理由は知っている。相手が相手だし、噂になるのも時間の問題だ。ただ、菜月は自らの口で噂を立てることは嫌なので、大島先輩にも言えなかった。

 「そうれでさ、この前、プラモデルを息子が、買って言われたのよ。高くて、どうしようか迷ってだよね。」

話が変わった。少し助かったと思ってしまった。

「大変ですね」

「そうなんのよ。子育てて大変なのよ。菜月ちゃんも子供できたらわかるわよ」

「そうなんですね。私はまだ大丈夫ですよ」

「早く、子育てひと段落したいのなら、早く妊活した方がいいわよ」

「そうなんでよね。旦那と相談します。」

 まあ、すでに今年30歳なので、子供を産んでもいい年齢であることは分かっている。

「で、新井さんの旦那って、どんな人?」

大島先輩がすごい嫌な顔をしているように見える。

「すごく優しくて良い人そうでしたよ」

「よくもまあ、お坊さんと結婚しようとしたわよね。」

「えっ、知ってたんですか?」

「まあ、人の噂はすぐ回ってくるからね。菜月ちゃんは良い子だよね。カマかけたつもりだったけどな。新井さんの旦那がお坊さんで、教会で結婚式をしたこと、私に話さないんだから。そうところ尊敬できるわ。」

「もう、カマなってかけないでくださいよ。」

「ごめん、ごめん、」と穏やかに笑って謝ってきた。菜月は、もし妊娠した時は最初に大島先輩に報告しないと思った。





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結婚式を2人でしていた件 一色 サラ @Saku89make

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