追放された付与魔法使いの成り上がり 〜勇者パーティを陰から支えていたと知らなかったので戻って来い?【剣聖】と【賢者】の美少女たちに囲まれて幸せなので戻りません〜
第103話:付与魔法使いは暗殺者を捜す
第103話:付与魔法使いは暗殺者を捜す
「心配ない。それより――」
言いながら、俺は付与魔法を準備する。
『防御力強化』×4
対象は、セリア・ユキナ・ニーナ・マリアの四人。
明確に俺への殺意を感じた攻撃だったが、狙いが俺とは断言できない。
それに、複数犯あるいは次の攻撃の流れ弾が飛んでくる可能性もある。
俺よりも、四人への被害の方が心配だ。
「シルフィは隠れてくれ」
「うん!」
俺の指示を受けたシルフィはすぐに精霊界に避難。
ようやくこれで少し安心できる。
「アルス、さっきのはいったい……?」
「こんなこともあろうかと、俺は常に魔力壁を展開してたんだ」
「なんですかそれ⁉」
「説明は後だ」
魔力壁。
文字通り、魔力による壁のことだ。
常に『魔力探知』で周りを警戒していたとしても、万が一の可能性もある。
冒険者の格言として、『不測の事態を予測しろ』という言葉がある。
俺は、これに倣う形で常に目には見えない、薄く硬い壁を展開している。
普通の魔物や冒険者程度なら、寝込みを襲ったとしても俺に傷一つつけられない。
この壁を破れるとすれば、つい最近戦ったゲリラダンジョンのボスや、セリア・ユキナから全力の攻撃を受けたときくらいだろう。
俺を攻撃してきた弓術士はそれほど強くなかった。
この程度なら何の問題もない。
まさか周りに人が普通にいる街の中で攻撃を受けるとは思わなかったが。
さて、こちらの態勢が整ったことだし、反撃といくか。
「多分、攻撃してきたのは『レッド・デビルズ』の暗殺者だ」
『レッド・デビルズ』は、魔の森のキャンプで見張りをしていた俺を襲ったところ、ナルドを怪我させた暗殺者が属していた組織。
あの時と同じだった。
矢が飛んできた方向から暗殺者と思しき魔力は感じられない。
「王都に来るときに攻撃してきた人たちですよね? でも、ガリウスがアルスの命を狙う理由はなくなったって話でしたけど……」
「そもそもガリウスは今朝亡くなったわ」
「そ、それもそうですね……」
俺も、これがよくわからない。
ガリウスは関係がなかったのか?
それともガリウスとは関係がない人物からの恨みをいつの間にか買っていたのか?
まあ、どうでもいい。
「理由なんて、捕まえてからゆっくり聞き出せばいいだけの話だ」
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