Miracle outbreak

第1話 『奇跡』の発生

なんやかんやあって神の存在が立証され、その神を利用したことにより様々な『不可能』と言われていた事象が現実になった現代。行いたいことを強く望めば、だれでも『奇跡』を起こせる可能性を持っていた。この『奇跡』により、幽霊や魔法、死の概念までもが変化していた。さすがに何もないところからモノや命を生み出すことはできないが、その『奇跡』の影響は多くのモノに影響した。

　『奇跡』が多くの人に認められ、世界の国々は『奇跡』の乱用による混乱を防ぐため、『奇跡の講師に関する国際条約』を締結し、それぞれの国ではそれに基づいた法整備も行われた。締結から法整備まで、今まで以上にスピーディーに進められたが、それでもなお遅かった。

　条約の締結までの間にゲームの世界のような『魔法』や『ステータス』が作られ、それに加えて『ダンジョン』まで作られてしまった。さすがに『奇跡』を行使した者も人が大勢死ぬことを望んではいなかったためか大きな混乱は起きず、比較的すぐに浸透した。しかしその間にも多くの人々が『奇跡』を行使した。

　そして『ダンジョン』の発生により『魔力』といった通常では目に見えず、しかしどこにでもあるような物質のような力のようなものができ、この『魔力』の研究により新たなクリーンなエネルギーが生み出され、うまくいけばダンジョンで比較的容易にお金を稼げるようになるため多くの人々が喜んだというのはまた別のお話。

　『奇跡』の発現から1週間、とある日本人が〇witterでのとあるつぶやきが話題となった。

-----もしかして奇跡を使えばミクちゃんとおしゃべりできるようになるんじゃね？-----

　このつぶやきは多くのアカウントがRTやいいねをしたことにより、世界中を駆け巡ることとなった。そしてつぶやきから約2日、事件は起きた。

　それは某動画配信サイトYou〇ubeとニ〇ニ〇動画で起こった。『初音ミクの自己紹介動画！！』といった数分の動画と、この動画から約半日たったころに『初音ミクの弾丸ライブ、はじまるよ～！！』という生放送が突如始まったのである。