55歳の手前にて
@hidemanz
第1話
55歳の手前にて思うこと
「もういくつ寝るとお正月〜」という歌がある。55歳になろうという自分にとって、「もういくつ寝るとお出迎え〜」という替え歌が最も似合う歳になってきた。
もちろん人生100年時代である。
政治家ならば55と言えば、これから花を咲かす時であろうし、世間も同様だ。
にもかかわらず、私にとっては「もういくつ寝るとお出迎え〜」なのだ。ただし、悲観しているわけではない。
自然が恋しい自分がいる。東京に住んではいるが、もともと田舎出身だ。折にふれ、出身地山口県山口市の風景を思い出しては、スマホに残した写真を見たり、YouTubeにあがった山口市の風景に見入ることがある。
東京住まいとはいえ、近くは割と自然に恵まれている方だと思う。石神井公園、光が丘公園、間近くには、人口的ではあるが井草森公園がある。
自分は井草森公園が出来たその時から、その近くに住むようになった。あれから26年が経った。
時の流れは早いものだ。
田舎と東京を比べてみて、住みやすさ、住みにくさがある。私は最近、東京の住みにくさを痛感する出来事があり、非常に辟易した。東京と田舎の人間は違うというが、本当にそう感じた。
東京でも地域や区によって、人間性に違いがあるが、自分にとって自分が26年住んだ場所こそが最も水の合わない場所だと確信した出来事だった。それほど、この地域は変人が集まっている地域だった。
…だが同時に気にもしていない。
なぜなら、田舎者は東京に孤独を求めに来ているからだ。孤独になることで周りにどんな阿呆が住んでいようとも、その全てを情緒的に処理しないからだ。
田舎の人間性はよく、住みやすいのか、と聞かれたら、はっきり言ってよくわからない。自分も18までしか山口市にはいなかったから。
この先、自分はどのようにこの世の中を漂っていくのだろうか?
そして、毎日自分に思い聞かせたいことがある。
現実は毎日、毎時間、毎秒の中にしかないということだ。
刹那的というより、それが真実で、それが55歳の手前になってやっとわかってきた。
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