第79話サバンナ




この階層は何なんだ。

サバンナのような風景が続いている。

そしてメタルなボディの牛系タイプが、50体も群れをなして襲ってくる。

頭に生えた2本の角で俺の腹を刺そうと、全身で飛び跳ねて向かってくる。

俺は右にかわしてすれ違いに、雷撃野太刀で首を斬り落とした。


左ではキーが雷撃を広範囲に落として、30体近くを始末している。


ツタは次々とツルで締め上げて5体を絞殺した。

そして3体を槍で突き刺して、仕留めた。


ピーは火炎で10体を跡形もなく溶かした。


スラは既に2体を溶かし、ライムも1体に襲いかかり始末していた。


残りの1体を始と仁助らで消化し始めている。



ここでドロップしたのはメタルⅡカード4枚とエランドの槍カード1枚だった。

この魔物の名はもしかしてエランドか?


エランドの槍


STR+5

DEX+5


このカードを具現化させると、ツタがサササと寄ってきて目の前にもぞもぞとしだした。

槍の形状は、真直ぐな槍先の片方にかまが横に飛び出して上向片鎌槍うわむきかたかまやり

鎌部分で相手を切るよう出来ていた。


「欲しいのか?」


『もちろん欲しいぞ』


素早く2本のツルが催促してくる。

そのツルにエランドの槍を置くと、素早い動作で天高く突き出して自慢している。

ただしリップ以外は、関心がないのか見ていない。



なにやら地面に振動が伝わる。

その方向には、土煙が舞いメタルボディの巨象の群れが見えてくる。

100頭近くの数は見ていて圧倒される。


「今度の敵はでかいぞ、それに数も多い」


『ほんとだ、おらっちよりでかいぞ』


俺の雷撃野太刀で胴体を斬ったが、みるみると回復して傷口がふさがる。

これはやばいと電撃に切り替えて攻撃するが、一瞬動きが止まるが対してダメージを与えていない。


他の従魔らも同じだが、スラの消化する攻撃は効果を発揮している。

その中でピーの火炎が威力を発揮して、1頭を溶かし切って、また1頭を溶かし始めている。


「キーもライムも相手に取り付き、消化する方法で倒せ」


『親分、分かったよ』


『OK』


俺の指示に従い、キーもライムも巨象に跳び付き消化して、数を減らしつつあった。

俺も【炎のブレス】を手からを放出して、巨象に攻撃を仕掛けた。

巨体を燃やしながらも向かってくる巨象に、疾風のブーツを使って空へ回避。

鼻先を徐々に溶かし、次第に巨体も溶け始めている。

やはり火魔法より火力が凄い。


ツタやリップは巨象の足をツルや根でまとわり付き、横転させては次の巨象を倒し始める。


始や仁助らも倒れた巨象に跳び付き消化して仕留める。


そして手にしたメタルⅤカード9枚。


メタルⅤ


硬く軽い回復する金属



この金属、なにやら凄そうな能力をもった金属のようだ。

鑑定をそのまま信じれば、傷ついても回復するのだろうか?

そんな金属で武器や防具を作れば、傷ついても曲がっても回復してくれるのだろうか?


それが現実なら破壊不可能の武器か?

それか防具が出来上がると妄想にふけってしまう。




しばらくしてサバンナの野生犬リカオンの群れが、遠くの方から取り巻くようにやってくる。

俺はテレビで見て知っている。捕食動物でもっとも成功率が高いのがこのリカオンだ。

一気に襲うのでなく、こちらの実力をうかがっている。数は50体ぐらいだ。


しかしこっちには、空から攻撃するアイやグフがいる。

地上では従魔の攻撃を上手くかわしているが、空からだと無防備に姿を晒すことになる。

今でも光線に打ち抜かれたリカオンが数体がいる。


グフは従魔の攻撃をかわした瞬間を狙って風の刃で倒している。


すでに20体まで数を減らしても諦めずにいる。


俺は【暗黒球】に強く念じて相手の動きを阻害するようにと願って放つ。

リカオンの足を一瞬で消し去り、20体は地面に転がって身動きできない。

そこへ従魔らが襲い掛かる。


メタルⅡカードを11枚も手に入れられた。

そして知恵の実カードを1枚を新たに手に入れた。


知恵の実


INT+10


INTが+10も上がれば、充分に始らスライムは話せるだろう。

俺がそんなことを考えいると、足元に仁助がもぞもぞと近づき仰ぎ見ていた。


「仁助、分かっているのか?」


ぷるぷると体を揺らして答えてくる。

俺はそれを信じてカードを具現化してみた。

青っぽい実があらわれて、仁助の体に載せてやるとじわじわと消化している。


『お、親分、あり・とう』


おお、片言だが話している。体をなでてほめてやる。



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