黄泉物語 〜新説 四谷怪談〜
木野原 佳代子
第1話
お
お
薬屋(何でも屋)
プロローグ
花のお江戸は
お家の都合で浪人になってしまった伊右衛門は御歳二十三であった。後がない伊右衛門は何とか出世したいと思っていた。そこへ四谷町に居を構える
そんな時、
そんな梅の気持ちに気付いた伊右衛門は、
まず、江戸中を歩き回り、流しの薬屋を捕まえて、病気になる薬は無いかと聞いた。これを聞いた薬屋、はて
廃寺にて
(辺りをキョロキョロと疑う伊右衛門
薬屋は薬箱から油紙に包まれた薬を取り出した)
「ですが、旦那。この薬、とても強力で少しでも確実に効きます。
これを聞いた伊右衛門。
「そんなに苦しむのか?」
「はい、
「少量でもか?」
「はい、それはもう」
「だが、確実に病気になるのだな」
「量が多ければ、一瞬で死にます」
「本当に死ぬのか?」
「はい、確実に」
それ程までに苦しむのは
この男、
だが、ある夜、また帰りが遅くなってしまった伊右衛門を岩は泣き
そしてある夜。岩は
それから一月後、伊右衛門は梅と
その夜。
真っ白な布団の上に恥ずかしそうに座っている梅に伊右衛門はそっと近づき、その肩に左手を置き、右手で梅の
が、次の瞬間。伊右衛門はこの世のものとは思えない程、恐怖に引き
「ぎゃー。お、お、お、お前は・・・」
突然、自分を見て
「伊右衛門様?どうなさいました?」
その手を振り払う伊右衛門。
「く、来るな。岩・・・」
「岩?私は梅でございます。伊右衛門様」
「ち、違、違うんだ。コレは、」
「伊右衛門様?」
逃げる伊右衛門。それを追う梅。
伊右衛門の目には梅の姿が岩に見えていた。それも、顔の半分が焼け
『伊右衛門どの・・・。
「ち、違う、違うんだ・・岩」
『
「く、く、来るな。この、化物っ」
『化物・・・酷いわ・・・こんなになってしまったのは貴方の
私の・・美しかった白肌も焼け
酷いのは
「わ、悪かった。俺が悪かった。だから、岩。たのむから、じょ、
『
「違う、違う。お、お、お前は死んだんだ。岩」
『・・・
「お、お前がの、飲んだお茶には毒がはいって、入っていたんだ」
『・・・本当に?・・』
「お、おれが入れたんだから、ま、間違いないっ」
『・・伊右衛門どの・・岩は・・貴方を・・愛しておりましたのに・・』
「お、俺だって、あいっ愛していたさ。だが、お前は・・」
「く、来るな。来るな」
『・・酷いわ・・伊右衛門どの・・一緒に行きましょう・・』
「いやだいやだいやだいやだいやだ」
伊右衛門は部屋中を暴れながら逃げ回る。と、手に固いものが触れた。自身の刀であった。意を決した様に硬く握りしめる。
『・・伊右衛門どの・・伊右衛門どの・・一緒に・・』
背後に迫って来た岩を振り向き様、抜き打ちで
「きゃあああああ」
だがしかし、
「う、梅。すまない。ああ、梅。すまない。本当に」
「・・伊右衛門様、・・本当にお岩さんを殺したのですか?」
「・・・ああ、ほんとうだ」
「酷い人・・・。でも、それほどまでに私と一緒になりたかったのですね・・。嬉しい・・」
梅はこと切れた。
「俺はこの手で、岩も梅も殺してしまった・・・」
次の瞬間、伊右衛門は自身の首を
さて、この世には
それは、仏教の世界観で、
人は死ぬと七日ごとに、
伊右衛門、岩、梅の三人は、
「さあて、お主らか。他の
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「伊右衛門。そなたの罪は
岩。そなたの罪は、
梅。そなたに罪はない。よって
じゃが、それでは不満だというのだな」
(伊右衛門が一歩前に出る)
「どうか、
(次に岩が一歩前に出る)
「いいえ、
(そして、梅が一歩前に出る)
「いいえ、いいえ、
(さらに岩が一歩前に出る)
「いいえ、
「いいえ、いいえ、
「いいえ」
「いいえ」
(二人がズズズいと前に出てくる)
「えーい、二人とも落ち着け。お
岩と梅を交互に見比べる
「さて、伊右衛門。二人はこう
伊右衛門は二人を交互に見やってから、
「わたしは、二人とも可愛い嫁だと思っております。だが、わたし自身の
「ふむ。では伊右衛門。どちらか一人を選べと言われたらそなたはどちらを選ぶ。そなたが選んだ方を
この
むむむ。二人とも可愛い嫁じゃが、岩を選べば梅が悲しむ。梅を選べば岩が
そして、二人を選ばなんだら、わたしが
あ、いやいや
むむむ。
むむむ。むむむ。むむむ。
「さあ、どうする。伊右衛門よ」
むむむ。
「さあ、さあ」
むむむ。
(伊右衛門を真ん中にぴったりとくっついている岩と梅)
岩「ちょっと、何で
梅「私、その伊右衛門様に殺されたの。私に乗り移って殺させたの、
(
岩「ところで、今日のお洗濯済んだのかしら?」
梅「何で、私がするのよ。言っときますけど、私と伊右衛門様は
岩「本当の夫婦になっていないくせに(
(再び
(居たたまれなくなった伊右衛門は首を
伊右衛門「まあ、まあ、二人とも。仲良くやろうではないか。せっかく
(岩と梅はキッと伊右衛門を
岩「この人と
梅「伊右衛門様のせいです」
伊右衛門「まあ、なんだ、ほれ。あははははは。そうだ、二人で仲良く洗濯するのはどうだ?」
岩「その間に出かけて行って、また女を引っ掛けて来るのじゃないでしょうね」
梅「そうです。ハタキで
伊右衛門「・・はい」
(素直にハタキを手に掃除を始める伊右衛門)
(タライに水を
岩「ちょっと、伊右衛門さん。この口紅なあに?お梅ちゃんなの?」
梅「いいえ、お岩さん。これ、私の
(二人、ジロリと伊右衛門を
岩、梅「伊右衛門助様。どーゆーこと」
(地を
伊右衛門「いや、ほら。黄泉町二丁目に『スナック うつしよもどき』という店があってな。そこの女の子が
岩、梅「スナック?うつしよもどき?」
伊右衛門「あ、いや・・・」
岩、梅「また、浮気したのー?」
伊右衛門「いやいや、あ、いや、ははは」
(言いながら
岩、梅「伊右衛門様ーーーーー」
黄泉町二丁目まで来たが、本日は『うつしよもどき』は休みであった。
角で女がしゃがんでいた。
(女に近づく伊右衛門)
伊右衛門「もし、どうされた?」
女「
(顔を挙げる女。
伊右衛門「ほう。それは大変だ。さぞ、困ったであろう」
(伊右衛門は自身の着物の
伊右衛門「ほうら。出来た。さあ、
女「あっ」
(よろける女)
伊右衛門「おお、危ない。さあ、わたしにつかまって」
女「ありがとうございます。お優しい方」
(女は伊右衛門に
伊右衛門「気をつけて帰るんだよ」
(女は
伊右衛門「ただいま。今帰ったよ」
岩、梅「一体、
伊右衛門「二人に土産だよ」
(手に抱えた花を二人に渡す伊右衛門)
伊右衛門「散歩の途中で見つけてな。
岩「あら、まあ。とっても
梅「とっても
(二人は
岩「貴女、何本?」
梅「五本」
岩「私、六本」
梅「私の花の方が大きいわ」
トントン。玄関の戸を
「もし・・・」
何とも
梅「どなたですか?」
(カラカラと戸を開けた)
女「もし・・・こちらは伊右衛門様のお宅ですか?」
(目つきと
岩「貴女はどちら様?」
女「
岩「何か御用かしら、お紫乃さん」
紫乃「わたくし、先程、そこの角で伊右衛門様にお助け頂きました」
岩、梅「伊右衛門様?」
伊右衛門「あ、いや、ほら。そこの
岩「伊右衛門さん、どーゆーことですか?貴方は女と見ればーーー。そりゃあ、困ってる方を助けるのは良いことですが、どうしていつも女ばっかりーーー」
(伊右衛門を追いかける岩)
梅「それで、伊右衛門様になんの御用かしら。私、妻の梅と申します」
紫乃「お礼をと思いまして。わたくしの所にお供えでお
梅「ありがとう。お
伊右衛門「まあまあ、梅。
紫乃「ありがとうございます。伊右衛門様。ですが、わたくしのように
(
伊右衛門「そんな事はない。岩も梅もよく出来た女だ。訪ねて来た客人を
(岩と梅はこっそりと後ろを向いた)
岩「よく出来た女と言われたら
梅「そうね。あの女の
岩、梅「どうぞ、おあがりになって」
居間にて
卓を
梅「お食べにならないの?」
紫乃「わたくしが持って来たんですもの。皆さんからどうぞ」
梅「そう。じゃあ、頂くわ。お岩さん、お茶を
(岩は梅を
梅「あ、やっぱり良いわ。私が
岩「私は毒を盛られた方よ。伊右衛門どのにね」
伊右衛門「ははは・・・。まあ、何だ・・・」
(伊右衛門、居たたまれなくなり
(岩はお茶の準備に
岩「まったく。伊右衛門さんにも困ったものだわ。女と見ればすぐに声をかける。お優しいのは良い事だけど、それにしてもあの女、一体何者なのよ。大体、
(ハッと気づき、急いで
岩「伊右衛門どの、お梅ちゃん、お
伊右衛門「ごっくん」
(
梅「ふえ?」
(梅の口にちょうど入った所だった)
岩「出して」
(岩、梅の口から急いで
梅「一体何ですか?ただでさえ怖いのに、もっと怖い顔して」
(この小娘。と思いながらも岩は紫乃に向かう)
岩「お紫乃さん。貴女、
紫乃「・・・・」
岩「お紫乃さん。貴女、お住まいはどちら?」
紫乃「ふふふふふふ。だって、わたくし、
(急におどろおどろしい
梅「あ、あげないわよ。わたしの旦那様・・」
紫乃「もう遅い。わたくしの
(紫乃の叫び声と共に、強風が家を
岩、梅「きゃーーーー」(目を
(
梅「お岩さん、二人は
岩「お梅ちゃん、行くわよ」
梅「え?何処に?」
岩「
かくして二人は
受付に
岩と梅は番号札を取り、
ピンポーン
小鬼「お岩さん、お梅さん、どうぞ」
岩「まったく。四時間も待ったわ」
梅「ええ、とっても疲れました。体が固まって死人のようよ」
岩「もうとっくに死人よ」
梅「そうだったわ」
(
閻魔「おや、見たことのある二人だな。何用だ?やはり伊右衛門を
岩「いいえ、違います。(少しはその気も無くは無いけど)伊右衛門どのが連れ去られました」
閻魔「ほお。
岩「わかりません。先程、お紫乃さんという方が家にみえられて、彼女の持って来たお
閻魔「ほほう。それはそれは。行き先は
岩「ええ。恐らく」
閻魔「それでどうしたい?」
岩「連れ戻して下さい」
閻魔「ふむ。なあ、岩、梅。こうは思わぬか。恐らく伊右衛門は
岩「嫌です」
梅「私も嫌です」
閻魔「そうか。困ったのお。今は
(これ見よがしにペラペラと
岩「私たちが行きます」
閻魔「だが、二人は
岩「私は半分は
閻魔「じゃが、梅は違う」
岩「私が守ります」
(梅、驚いたように岩を見る)
閻魔「だとしても
(岩と梅は顔を見合わせると、力強く
岩、梅「はい」
(
岩「これね。
梅「
岩「人は亡くなると
梅「お紫乃さんも
(と、そこへか
小鬼「あの・・・もし・・」
(振り向く二人)
梅「何か?」
岩「誰かしら」
小鬼「あの、僕・・、
岩「それで?」(目つき
小鬼「多分、その人かなーって」
岩「多分って何?きっとそうでしょうよ。その人の名前は?」
小鬼「・・紫乃・・・」
岩「あなたねー。何を番してたのよ」
小鬼「はい・・・。ごめんなさい。僕、
(ホッと胸を
岩「ちょっと待ちなさい。だから良いってもんじゃないでしょー。私たちの夫が連れ去られたのよ」
(小鬼涙目になって岩を見る)
「でも、でも、その人・・元々、
岩「そういう問題じゃないのよー。まったく近頃の若い鬼は」
(あ岩、ズイっと小鬼に詰め寄ると、胸ぐらを
(
岩「あんた、一緒に来なさい」
小鬼「え?」
岩「
小鬼「えー?そんな・・・」
岩「つべこべ言わない。お梅ちゃん、行くわよ」
梅「お岩さん、ううん、お姉さん、カッコいい」
岩「
梅、小鬼、岩「・・・」全員沈黙。
ここはあの世である。
岩「さあ、行くわよ」
かくて三人は
一方、その頃、
伊右衛門「あのう、紫乃さん。ここは
紫乃「ふふ。
それまでの
伊右衛門「あ、いや。いつ、家に帰れるのかな?」
紫乃「伊右衛門様、わたくしの事、お嫌い?」
伊右衛門「いや、そんな事はないが。そなたは美しい」
紫乃「それじゃあ、ずっとわたくしと一緒にいてくれる?」
伊右衛門「そうだな。あの二人が良いと言ってくれたら、良いんだが・・・」
紫乃「いや。今はわたくしと二人だけなんだから、わたくしの事だけ考えて下さいまし」
(紫乃、伊右衛門の胸にしなだれかかる)
岩「ちょっと小鬼。あなた、お梅ちゃん守ってよ。この子わね、誰も殺してないし、嘘も言ってないの。本当に
梅「お岩お姉さん・・・。梅は感動しております」
小鬼「あの、じゃあ、この人は
(一瞬にして、目の色が変わる小鬼)
(それを見逃さず岩が言う)
岩「だーかーらー。小鬼。お梅ちゃんに手を出したら・・・」
(岩も
岩「
(
小鬼「あわわわわ。わ、わ、わかりました。所で、あの、僕、名前があるんです」
岩「何?」
小鬼「胡鬼って書いて、『こぎ』です。だから、あの、そう呼んで・・」
岩「わかったわ、胡鬼。その代わりに、他の鬼たちや他の
胡鬼「はい」
梅「お岩お姉さん、ありがとう。私、お姉さんの事、大好き」
岩(この子も何だかんだ
岩「じゃあ、伊右衛門さん、私にくれる?」
梅「嫌です。それとこれとは別です」(にっこり)
岩「お梅ちゃん、しっかりしてるわね」
梅「はい」(
岩「お紫乃さんの
胡鬼「はい。あの方は、愛人さんと
岩「
伊右衛門「あの、紫乃さん。・・こんな事を言うのも何だが、少し離れてくれないか。あの二人に見つかったら・・」
紫乃「いや。そんな事仰らないで」
(紫乃、
紫乃「わたくしが愛したあの人も、わたくしから離れていこうとしたの。ずっと一緒にいようと、愛してるよと言ってくれたのに・・・」
伊右衛門「そうか。気の毒に・・・」
紫乃「だから、・・・伊右衛門様。一緒に
(辺りの
(伊右衛門 術にでもかかったようにどこか遠くを見つめている)
紫乃「一緒に・・炎に焼かれましょうよ・・」
胡鬼「あ、あの家です」
岩「行くわよ」(走り出す)
岩が離れると、辺りから
「・・・その女を
「・・・
「・・
「・・
胡鬼「あわわわわ」
(一生懸命に
梅「きゃあ。来ないで下さいまし」
(ちょっぴり涙目になりながら、手で払い
紫乃「さあ、一緒に・・・」
(紫乃の肉体にも炎がついた)
(紫乃の手が伊右衛門の顔に触れようとしたその時)
バン! ー戸が開くー
岩「待ちなさい」
岩と紫乃は炎の中、対峙した。
岩「ちょっと、あんた。よくも人の
紫乃「わたくしと一緒にいてくださるとおっしゃってくれたわ。優しい方だもの」
岩「言わないわよ。
紫乃「貴女、伊右衛門様に殺されたのでしょう?
岩「
この人は、私を殺す時、苦しいのは
伊右衛門さん
ね、伊右衛門さんは私のものでしょう。・・・貴女の愛しい人は、貴女を
紫乃「うっ・・ううっ・・呻」
(おどろおどろしい
(そこへ、胡鬼に守られた梅が到着した)
梅「伊右衛門様っ、きゃっ」
(炎に驚く梅)
(梅の声にハッと我に帰る伊右衛門)
伊右衛門「おお、梅。こっちへおいで」
梅「はい」
(梅を抱きしめる伊右衛門)
伊右衛門「無事だったか?」
梅「はい。お岩お姉さんとこの胡鬼が守ってくれましたから」
伊右衛門「おおそうか。胡鬼、ありがとうな」
(胡鬼、ここで感動)
胡鬼「僕、僕、お礼を言われたの・・初めて・・。伊右衛門様🖤」
紫乃「・・おのれー・・」
岩「
紫乃「・・だ・・ま・・れえ・・」
(紫乃の怒りによって風が巻き起こり、炎の勢いが更に強くなる)
(岩、
(
岩「
自分の罪の
だから、私たち
でも、貴女は・・。お紫乃さん、貴女、
(フッと嵐が収まり、いつの間にか炎も消えていた)
紫乃「ううっ、ううっ。私は・・私は・・ただ、あの人と一緒にいたかっただけ・・。わかっていたのよ、
(胡鬼、紫乃を連れて行く)
ー数日後ー
(
梅「お紫乃さん、少し、罪が軽くなったみたいですね」
岩「そりゃあ、私たちが
梅「あれ、
岩「いえね、何も
ただ、・・・ですから全部が全部、お紫乃さんが悪いわけでもないと思いますのよ。
もちろん、こんな事情は百も
(閻魔大王、うんざりした顔をしている)
閻魔大王「わかったわかった。岩、そなたの
岩「何かおっしゃいまして?」
閻魔大王「いや。ううん(咳払い)
判決を言い渡す。今回の紫乃の
梅の回想終わり
梅「・・
岩「何か言った?」
梅「いいえ」
岩「そうよね。はい、お梅ちゃん、お茶」
梅「ありがとうございます。お岩お姉さん。私、この間、
岩「伊右衛門さんも呼びましょうか。
梅「お庭にいません?この間、お紫乃さんが壊した戸を直してくれてる
岩「居ないわよ」
岩、梅「・・・・」
(誰もいない庭を見ている岩と梅。と、家の表から声が聞こえる)
家の表にて
伊右衛門「いやあ、奥さん。お料理が上手で旦那さん、喜ぶでしょう」
奥方「あらあら、お上手だ事。伊右衛門様も
伊右衛門「いやあ、ははは・・・」
奥方「ほほほ」
(伊右衛門、家に入ってくる)
岩、梅「伊右衛門様ーーー」
伊右衛門「いやあ、ご近所付き合いだ、ほれ」
岩、梅「絶対、あわよくばと思ったでしょう」
(二人に追いかける回される伊右衛門)
日々是好日 世はなべて事もなし。。
春野 鶯
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