ノブ太郎

せく原田不倫之介べ

第1話

むかーし昔あるところに大悟お爺さんとすずお婆さんが住んでいました。ある日、すずお婆さんは芝刈りに、大悟は川に洗濯に行きました。大悟が洗濯をしていると、川の上流から、どんぶらこ、どんぶらこ、と全裸のノブが「爺は芝刈りせぇ!」と言いながら流れてきました。大悟はノブを一瞥し、

「なんやノブか。」

と言って洗濯を続けました。そのままノブは川の下流へとどんぶらこ、どんぶらこと流れて行きました。

「うぉぉい!全裸が流れてきたら反応せぇ!お笑い初めてか!」

全裸のノブが凄い勢いでツッコミながら帰ってきました。

「話が進まんのじゃ!」

仕方なく、大悟はノブを家に連れて帰りました。家に帰ると、優しい大悟はアメリカンスピリットを吸いながら、

「取り敢えずあれじゃの、服作らなあかんの。」

と言って、乳首に葉っぱを二枚、被せてあげました。するとノブは

「うぉぉい!服の始まりか!」

と言ったので、大悟は股間にも葉っぱを被せてあげました。すずお婆さんが芝刈りから帰ってくると、ほとんど全裸のノブを見て、驚きのあまり無言になって見つめてしまいました。ノブは

「口でもクセェですか?」

と言いました。

明くる日、ノブは

「わしゃ鬼退治に行かにゃならんのです。」と、大悟達に告げました。

「ですので、きびだんごをお願いしたいんですが…」

大悟達はどうしても行くのなら、と言って急いで準備して、大量のルッコラをノブに渡しました。

「わしゃルッコラ食いか!」

家にはルッコラしかなかったので、仕方なく、それで鬼退治に出発することにしました。

「それでは行ってきます。」

「いやワシも行くぞ。」

そういって、ノブと同じ格好をして大悟は出てきました。

「おい、いつの時代のお笑いやりょんじゃ!」

二人は鬼ヶ島へ向け旅立ちました。鬼ヶ島への道中、ノブはあることに気付きました。

「おい大悟、二人じゃ鬼倒すのは無理じゃ。」

「おいノブ。ワシを誰と思いよんじゃ。もう仲間くらい準備しとる。」

「おいカッコエエのぉ。何人おるんや。」

「3匹じゃ。」

「匹!?人間とちゃうんか!?」

「安心してくれノブ。みんな頼れる奴らや。」

「えーそうなんや!じゃあ1匹ずつ紹介してもらってええですか?」

「よしまずはこいつじゃ」

「これは何ですか?」

「マントヒヒじゃ」

「おいクセがすごい!ここはマダガスカルか!」

「体は丈夫ですので。」

「いや知らん知らん!頼もしいよりより恐いが勝つ!」

「大丈夫や強いから。」

「ほんまか?じゃあ次はいいの頼むよ。」

「よし2匹目はこいつじゃ」

「これは…?」

「マッコウクジラじゃ」

「おいクセクセ!陸にあげるな海のもんを!」

「体は丈夫ですので」

「いやそういう問題じゃない!荷物以外の何でもないぞこんなん!」

「次は強いから」

「あーほんまか?戦力になるやつ頼むよ。」

「どぅーぞー」

「えーとこれは」

「イカ2貫です」

「イカ2貫!?おいもう生き物でもないぞ!」

2人はマッコウクジラを引っ張りながら、マントヒヒと共にイカのお寿司とルッコラを食べながら鬼ヶ島へ向かいました。







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ノブ太郎 せく原田不倫之介べ @waKasaginoKaraagee

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