自分にだけ使える鑑定EXでこの世の真理を知った僕が神様に喧嘩を売るまで

遊爆民/Writer Smith

プロローグ

 あなたは神を信じますか?




 この世界では10歳になると教会で神より祝福を頂戴し、魔法を使えるようになる。


 全てが神から与えられた祝福によるものだ。

 そう誰もが信じている。

 祝福を受けなければどんなに頑張っても魔法は使えない。


 これは世界の真理であり、神が存在する証拠である。そう教会は高らかに宣言する。


 どんなに王侯貴族が威張ろうとも、教会を蔑ろにすることは出来ない。

 王と言えども祝福を受けなければ魔法を使う事は出来ないのだから。







 ここは神が存在する剣と魔法の世界。

 一度街から外に出ると魔物が跳梁跋扈する危険地帯が待っている。

 街から街へ旅するのも命がけだ。


 魔物が跳梁跋扈する領域を縮小したかと思えば、国々で争いを始める。

 神がいてもその営みは変わらない。


 だが、人が困ったときに神が何を与えてくれるのか。

 誰もがそれを考えただろう。

 その答えは、司教を通じて魔法を使えるようになる祝福を与えてくれるだけ。それ以上でもそれ以下でもない。


 では、神の敵、悪魔が存在するのか。

 神の力が強く悪魔は地の奥底に封じられていると教会は伝える。

 当然、誰も見たことが無い。


 神は存在する、司教は祝福を与えるときに光に包まれる。

 誰もがその光景を見て首を垂れる。

 何の疑問も抱かずに。







 僕もそんな一人だった。

 でも、世界は違った。

 神も悪魔も居ない。

 この世界は欺瞞に満ち溢れているのだと、知ったのは……




 家を追い出されて数年も経った頃だった……。





◆◆◆◆◆◆【重要】◆◆◆◆◆◆

チートっぽい題名ですが、チートはありません。

スキルを取り放題で強くなる、そんな事もありません。

当然、異世界転生、転移ではありません。

家名を剥奪される様な追放を受けますが、追放物ではありません。

誰かが”ざまぁ”する、なんてこともありません、たぶん。

英雄願望はたぶんないでしょう。

内政で土地を豊かに、なんてのは他の作品に任せます。

少しだけ生活に余裕があったので、剣を振るう腕前だけは少し自信がある、それが主人公です。

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