八咫烏

名無しさぁ始めよう。

名無しガラス蜘蛛に濡れて。嵐が来る。夜が来る。朝が来る。嵐が過ぎれば、花が咲く。自画自賛の瞳に写るのは夜型の赤い美しい相槌。来館する人数の人間は皆殺しに会う。

名無し中には亡霊の夢が妻って、形もない魚の咲く流れにそう誰のものでもない。しかし今や殺した亡霊だやの幽霊だのに囲まれて、見えない糸の曇りに悲しく、寄る邉泣くかさかさと動く昆虫と住む。そいつは瞳に形のない水を宿す。体格のいい男が女の子と傘を差して、泣かなかった。

名無し快晴の駄菓子家に何でもない鋏など連れて、早く来い、早く来いと花がいう。しかし花はいった。何でもっと早くしんでくれなかったの?

名無し中にはパンドラの箱が在る。在る朝にその第一位の忘れない女が来た。そいつはパンドラの箱をちゅうちょ鳴く開き、夜の来る雨を降らせた。その雨に濡れた花は甚だ気でも狂った様に笑い、女は狂った獣を殺しそこねた。さぁ魚は言う。太陽を見方に付け、台詞のない鋼の瞳に破戒した。 

名無し 様々な形も葉を晴らし。予感する夢にも体感する夢だ。

名無しパンドラの箱を持つ女は美しい刃物を研ぎ澄まし、在る流れに早朝蜻蛉を殺す。蜻蛉は言う。お前だけは許そう、その代わり花を育てろ。一つか二つか。沢山在れば水を撒け。そして代わりに人間に育つ花を貸そう。いいか。聞け、花は最後に言うだろう。お前の最後は私と、一しょだと。

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