異世界召喚されたバスの運転手の領地開拓(仮)

松狼

第1話 ムーンライト辺境伯家の日常

此処は魔法と剣が栄えている世界「ヒステリア」にあるスカーレット王国の王都から南にある街ムーンライトから更に南にある大きな森....『死の森』の中心部にて6人の男女がモンスターを戦っていた。


「アル! こいつの足を止めてくれるか!」

白獅子の獣人の男性がアルと言う女性に指示をしていた。


「早くしてくれない? ロリババア!」

そして、白い虎の獣人の女性がアルと言う女性に止めの言葉を放つ。


「え? 何がロリババアって言っているのよ! この白ネコ夫婦! 」

アルと言う女性は獣人夫婦に怒鳴って答える。


「「誰が白ネコ夫婦だ! 『白銀の斧』って言ええ!」」

すると、1人の男性がアルに声をかける。


『おいおい。お前らコントは良いから早く倒せよ? アル。支援してやってくれ』


「「コント......」」


「はあい。「アイス・アロー」」

アルはモンスターの足に氷魔法で凍らせた。


「ねえ。そこのロリババア。こっちにもお願い」


「そうだよ。そこの白ネコ夫婦より先にしてね? お・ば・さ・ん」


エルフと思われる2人女性がアルに魔法の支援をお願した。


「あんた等....うるせいわ! この洗濯板エルフ姉妹め!」


「誰が洗濯板の胸なのよ! もっとあるわ!」


「ノーマ姉さんの言う通りです。早くしなさい。おばちゃん」


「きいいいいいいい!」


「アル。支援してやれ。お前達姉妹もいい加減にアルをおちょくるの止めてくれないか?」


「「はああい」」


「もう....旦那様の言う通りに支援してあげる。ほら「アイスアロー」」

エルフの姉妹が戦っているモンスターの足に氷魔法で凍らせた。


「今だ! ダリア!」


「分かった! グレイ!」

「白銀の斧」の二人は斧を持ってモンスターの首に向って斧を振り下ろした。


「「ホークインパクト!」」

二本の斧が同時にモンスターの首を斬り落とした。


「「やったあ!」」

手を叩く獣人夫婦。


「ノーマ姉さん。こっちもやりますよ」


「分かったわ。ニーナ」


エルフ姉妹は同時に魔法をモンスターに向って放った。


「「ウィング・カッター」」


2つの風の刃が同時にモンスターの首を斬り落とした。


「これで終わったね。ノーマ姉さん」


「うん。ニーナもナイスタイミングだったわ」


エルフの姉妹もモンスターを倒した。


「それでそっちは大丈夫なの? 


『ああ。もう終わった』


「さすが、私の旦那様ね」

アルは男に話をした。


「おいおいおい。俺達より瞬殺っていくらなんでもなあ。ダリア」


「そうだね.....あんたまた強くなっていない?」


「領主様って強いねえ」


「うんうん」


其の場にいた全員が頷いていた。


『おい。グレイとダリア。早く仕留めた魔物を直せ』


「はいはい。」

男に応じている白獅子の男性の獣人の名前はグレイ=ホワイトボーン、その隣にいる白虎の女性の獣人の名前はダリア=ホワイトボーン。

この二人は夫婦で「白銀の斧」と言われる冒険者で約20年前に大魔王と倒した勇者の仲間であった。


『ノーマとニーナも早く魔物を直せよな?』


「「はあい」」

二人のエルフ姉妹は答えて自分のアイテムボックスに入れた。

このエルフの姉妹の名前は姉がニーナ=クリーム、妹がノーマ=クリームと言い、ムーンライトと言う街のギルドマスターと副ギルドマスターである。


『アル。この魔物をアイテムボックスに』


「うん」

アルは男性が倒した魔物をアイテムボックスに入れた。

灰色の髪と赤い眼をしたロリ風の美女、アルと言う女性はアルテシア=ムーンライト。旧姓アルテシア=ワルキューレと言い、元4大魔法の一人で「殺戮姫」と言われた魔女である。このアルテシアも同じく大魔王を倒した勇者の仲間であった。


そして、全員に指示をしていた男の名前は........


「おい。ワタル。お前はいくつ倒したんだ?」


『15体だ』


「マジかあああ。俺達夫婦は2人で5体倒したのになあ.....」


「こっちも私達姉妹2人で5体しか倒していないし.....」


『まあ。そう言うなよ? 相手がミノタウロスだから、お前達なら5体倒しただけでも十分だ』


「「お前だけには言われたくないわ!」」

と叫ぶ獣人夫婦。


「ねえ。旦那様。そろそろ帰りましょう。じゃないとあの子達も今頃プンプンしているはずだから」


『そうだなアル。帰るとするか。白ネコ夫婦とまな板姉妹。街に戻るぞ』


「「白ネコ夫婦と言うな!」」


「「まな板姉妹って言うな!」」


そう言ってワタル達は街に戻って行く。

.....言い忘れたがワタルと呼ばれた男性の事は最後に紹介しよう.....



ワタル達はムーンライトの街に到着すると


「ダリアとグレイ。助かった」


「どういたしまして。それより報酬はいくらになるんだ?」


「ニーナ。教えてくれないか?」


「そうね。ミノタウロス一体に付き500万ベルクだよ?」


「そうなると合計2500万ベルクか...中々の報酬だ」


「グレイ。報酬は何に使うのだ?」


「それは....酒に....ぐは」

グレイが答えそうになるとダリアの正拳突きがグレイの腹に刺さった。


「何言っている! 報酬の半分は生活費と残りの半分は貯金に決まっているじゃないの! このバカたれ亭主!」


「そうだった....エミリーの学費の為に貯金するのだった」


『そう言えば、エリミーちゃんは歳はいくつになったの?』

アルはグレイ夫婦に尋ねると


「エミリーは今10歳になったぞ? ダリアよりおしとやかで自慢の娘だ」


「だ・れ・が・ガ・サ・ツ・で・す・っ・てええええええ!」

ダリアが夜叉顔でグレイを睨むと


「違うって! お前も可愛いから!」


「なら許す!」

グレイとダイアの夫婦漫才を見たワタル達は苦笑いをしていた。

そして、エルフ姉妹はワタルに尋ねた。


「領主。倒した魔物はどうするの? ギルドに預ける?」


『ああ。後で持って行く』


「了解。それじゃあ私達はギルドに行くね。色々と仕事が残っているから」


『分かった。解散!』

ワタル達はその場で解散をして、アルとワタルは自宅に帰る。

自宅に到着すると3人の女性が迎えに来た。


「「おかえりなさい。貴方」」


「只今、アリサ。アリス。それとメグ。」

ワタルはそう言って中に入った。

大広間にあるソファに座るとアルとアリサとメグが一緒に座った。

しかもアリサとアリスの膝の上には小さな子供が座っていてメグは大きなお腹をさすりながら座った。


「ユリウス。パパですよ?」

ユリウスが座って居る金髪で青色の眼をした胸がデカい美女は、アリス=ムーンライト。旧姓アリス=スカーレット、27歳。スカーレット王国の国王デビット=スカーレットとその妻マリア=スカーレットに生まれた王女である。

スカーレット国王夫妻も同じく22年ほど前に大魔王と倒した元勇者の仲間である。


「エリーちゃん。お父さんですよ?」

エリーと呼ばれた女の子が座って居るワタルと同じ髪と眼をした清楚な美女は、アリサ=ムーンライト。旧姓は上川亜理紗かみかわありさで「地球」と言われる世界中にある「日本」から来た異世界人である。歳は25歳。18歳の時にこの『ヒステリア』に召喚されてワタルと出会い今に至る。実に気の利く女性である。


「あなた。メグのお腹の子に挨拶をして下さい」

そう言ったのがメグ=ムーンライト。旧姓メグ=バトリーと言い、短い青い髪とパッチリとした緑色の眼をした可愛い女性で歳は26歳。スカーレット王国の王都にある冒険者ギルドマスター、クライン=バトリーの次女である。


「ねえ。旦那様。私も早く旦那様の子が欲しいです....」

そう言ってアルはワタルにおねだりをしていた。


「アルさん。頑張って」


「アルテシアさん....もっとワタルさんにモーションをかけないと」


「アルちゃん.....もう年なんですから.....無理だと思うけど....でも頑張って!」


「アリス。アリサ。ありがとう。メグうううう! もう年は無いでしょう! まだ魔族では25歳ですわ」


「そう? 魔族で25歳って言っても実際には250....ぐむぐむ」

メグがアルの歳を言いそうになるとアリサとアリスの手がメグの口を塞いだ。


『おいおい。嫁さん達。夕食にしよう。今日の担当は?』


「私とアリスです。メグは全く出来ないから」


「ア~ス~カ~」


「ごめん。メグ」


「もう.....」

アスカの言葉でメグが頬を膨らせていた。


『しかし、此処に来てもうだなあ』

ワタルはそう思いながら夕食の準備を待っていた。


ワタル=ムーンライト。歳は40歳。アリサと同じ『日本』から来た異世界人で、この街、ムーンライトの領主でスカーレット王国の辺境伯である。

本名、夜明渉よあけわたると言い上川亜理紗と同じで『ヒストリア』に召喚されたのだが....アリサと違うのはここに来るのは二回目である。

そう、一回目で来た時は大魔王を倒しただったのだ.......。



~作者より~

異世界転移物第二弾です。

元勇者のワタルが巻き起こる騒動を可愛い嫁さんとの出会いをして。活躍する話となっています。

シリアスもあり、コメディタッチで行こうと考えていますので楽しく読んで頂けばいいかと思います。最初の頃はシリアス的な内容でありますが、途中から変わって行くと思って下さい。













 




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