他者理解とは何か?

木村れい

第1話 他者は自分と違って当たり前

 何においても大事なこと、それは、「他者理解」です。 


 これは、世の中に出て、何事においてもまず、一番に大事な事、基本原則、だと私は、思っています。


 「他者理解ね、人の気持ちを考えなさいっていうんでしょ?そんなの当たり前じゃん」みんな言いますよね。


 いえいえ、それが、そんな簡単じゃない、他者を理解することは、そんな簡単では、ないんですからね。


 仕事、人間関係、社会矛盾、何かに悩んだり、行き詰まった時にまず、基本はここに立ち戻ることで新たな道が開けてくるかもしれません。だから、この話を話します。


 では、「他者」とはなんでしょうか?他者とは、自分以外の他人です。


 まずわかり易く、親しい親しい友達と喧嘩をした時を考えましょう。


 喧嘩した時に相手をこんな風に思いませんか?


 「なぜ?わかってもらえないんだろう?私はこんなにあなたを大事にして付き合ってきたのに、これくらいの事が理解してもらえないなんて辛いよ」とか。


 自分の思いが強ければ強いほどに、愛が深ければ深いほどに、人は人に求めてしまいがちです。


 しかし、待って下さい。相手は他人なんです。わからなくて当然なんです。


 彼女はどこで生まれましたか?寒い地域?それとも暑いところ?


 両親は仲むつまじく、愛に包み、彼女を育てていましたか?兄弟はいますか?これまで人生でどれだけ友人に恵まれていたでしょうか?


 いじめにあったり何か劣等感や、トラウマはないとは言い切れますか?


 仕事は何を選んだのか?中学高校や大学、学生生活をすんなりと過ごしてきたでしょうか?


 あげれば、きりがない。他者とは、たぶん、間違いなく、自分とは違います。


 自分とは全く違う生育環境に育ち、あらゆる自分とは違う体験を経て、そして自分と価値観が違う人間になっているのです。


 どんなに価値観が似た人間でもやはり、違います。やはり他者なんです。


 まず、その当たり前の前提がないと、他者理解は、はじまりません。他者理解のスタートは、まず他者が自分とは違うと知る事、「わからなくて当たり前」という認識を持つことです。だから、そんな簡単に人は理解は、できません。複雑怪奇それが人間です。

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