第4話 「恋の思いで」
思い出青年期青春篇
「恋の思い出」天邪鬼
福島美人、香(仮名)との出会いも忘れない思い出だ。
清楚というのか気品がある。背筋が伸びて潔く男みたくサバサバしている。
肌が東北美人ならではなのか、白くてほっそり体型。
人生のなかで振り替えっても、なかなか居ないような超絶美人だった。
今は全盛だが当時にIT企業につとめていて福島県、中畑清の同郷。小さな町の生まれなんだが、妙にあかぬけていた。
彼女の特徴は最初はたぶん感じなかったんだろうが、地が出てくると、会話のはしばしで感じたのが、なにかにつけて人とは反対の言葉を返してくるというところだ。
なんだろ、別の考えはいいんだけど「〇〇だよね」、「〇〇と思った」って話すと、だいたいの会話で必ず「〇〇なんだね」とか認めるとこなしに、「でも〇〇」「いや〇〇」と反対の意見を返してくる。変な娘だなあと思いながら何回かデートしていた。
思い出深いのは映画を見るのに待ち合わせた時だ。11時開始の映画なのに、11時ぴったりに待ち合わせ場所に現れるのだ。30分は遅刻している。全く謝りもしない。しかも映画館は複合施設建物の奥にあり、手をひっぱり、必死こいて走った思い出がある。わがまま、自由人甚だしかった。
映画は、当時は私は邦画しかみない派でこれは僕のわがままなんだが、彼女はもしかしたら洋画が良かったかもしれないけど余り意見を聞かずに邦画を見た。これは失敗だった。
そのストーリーはおおまかに言うと、ある公共施設に勤める様々な(確か)非正規雇用の人達の団結がテーマ。
まあまあ年配の主婦から若者がそれぞれの家庭や生活の悩みを抱えながらも、それぞれの立場を理解し合いながら、ある競技に取り組むことで団結していく物語である。
ストーリーの始まりに、職場が市長により廃止されそうな危機を迎える。
しかしその競技で優勝したら、それが撤回される約束で俄にみんなが団結する。
よくある合理化、縮小、低賃金、民間委託的な行政のはなしだ。
しかし見終わったあと、香が言ったのは
「でもさ廃止になったっていいじゃん、民間委託されて低賃金でも新たに仕事が増えるんならさ」
「うーん。確かにはそうだけど、ストーリーの流れから言ったら、それを言ったら身もふたもない、ならみんなの団結はどうなるんだKよ」
そのときには私がそれを聞いてなんと反応したか忘れたが、彼女の話をよくは聞かなかった事だけは事実だ。
その後も彼女と話すたび「ひねくれてるよね」とか、はしばしで、私も正直だから彼女に言ってしまった。
傷ついたかもしれない。彼女は自覚している性格だったのだろうが、それが自分の等身大だったのだ。
僕が他者理解が弱くて自分から彼女から離れた。
また彼女にはめちゃくちゃ優しい一面もあった。
僕の誕生日に食事したときに、サプライズでお店の人が僕にロウソクをたてたケーキを持って個室に現れたのだ。
びっくりした。
また食事も女性の彼女がおごるといって聞かない。なんと男前である。
そんな一面もあるからこそ、いま思い出すのはなぜ、彼女の話をしっかり受け入れて聞いてあげられなかったのだろう、という事。
うまく付き合うとか以前にしっかり思いを相互に通わせることを僕がしなかった。
そんな事を教訓的に教えてくれた出会いだ😅
香、元気にしてっか?
ありがとうな。俺が話を聞いてやれなくて、ごめんなさい。
優しい探偵で高木大知のおねえさま役にしといたぞ!テヘペロ。めっさ香だよな。
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