第3話
「あぁ、本当に酷いな。これ」
僕はボロボロとなった町並みを眺めながら街を歩く。
「全く警察は何をしていたんだが」
街には人っ子一人いなく、魔物だけが街を我が物顔で歩いている。
○○市以外はどうなんだろうか?もしかして世界中がこんな状況なんだろうか?
世紀末だな。全く。情報が欲しい。
もっとちゃんとテレビを見て来ればよかった。
なんで何も考えずに外に出ちゃったんだろう。
あ、ちなみに魔物って言うのは魔力を得た知性なき生物のことをいう。
「ん?人?」
僕の気配察知に衰弱した人の気配が引っかかる。
そしてその人の周りにはたくさんの魔物の気配。
やばくね?
僕はエクストラスキル【空間操作】を使い、人の気配がする方へサクッと転移した。
少女がいた場所はコンビニのトイレ。
少女はトイレの個室に震えながらこもっていたのだ。
そしてトイレの個室の前に魔物が群がり、 トイレの個室のドアを破らんと足掻いていた。
女子トイレのドアを蹴破ろうとするとは全くもって紳士的じゃない。
ドアごしにかすかに聞こえてくる排尿、脱糞の音を全集中で聞いてこその紳士であろうに。
「輝け、聖剣」
さっき拾った木の枝をユニークスキル【聖剣】で聖剣に変える。
「ほいさ!」
サクッと木の枝ですべての魔物をぶった斬る。
トイレに集まっていた魔物はゴブリンと呼ばれる魔物で、人の膝ほどの身の丈と、灰色の髪の毛とあごひげを持っており緑色の肌を持った魔物だ。
まぁドラ○エとかに出てくる雑魚モンスター。
普通にクソ雑魚。
僕の動きについてくるどころか目ですら追えず、僕の一撃を耐えきれずはずもない。
「やぁお嬢さん。大丈夫ですか?」
「は、はい」
僕はトイレに籠るお嬢さんに話しかける。
うーん。かすかに漂ってくるかぐわしい芳醇なアンモニア臭。
どうやら漏らしてしまったようだ。
僕はエキストラスキル【無限収納】に収納させているタオルと女性用のパンツを取り出し、渡す。
「では私はしばしの間席を外しているので」
「え?……あぁ!す、すみません!」
僕は慌てた様子のお嬢さんの声を聞きながら少し離れたレジの方に向かう。
そこで僕は耳をすませ、気配察知をフル稼働してお嬢さんのすべてを感じた。
■■■■■
「す、すみません。恥ずかしい姿を」
「いえいえ、気にしないでください。それよりあなたを助けることができてよかった」
「あ、ありがとうございます。助かりました」
ふふふ、今このお嬢さんは僕があげたパンツを着ているのだ。
滾ってくるね!
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