帝国が如何なる暦をくぐり今に至るかが淡々と語られる。政略結婚やクーデター、はては斬新な農地政策による食糧事情の改善など「王族ってけっこう大変だなあ」と庶民である幸せを噛み締めながら『他人事』をまったり読ませて頂きました。
文体は硬派であり地の文が延々と続くが割とサクサク読めるのは平易な言葉で語られている事と無理な設定を詰め込んでいないからだと推察されます。それは逆に言えば舞台設定が完璧に出来上がっているからでしょう。作者の構築した世界は本物だという事です。
とはいえ後半あたりから登場人物たちの「声」が聴こえてくると「これは小説だった」ことを思いだし安心しました。歴史書読んでる錯覚に陥っていたので^ ^
追伸:情報部隊「兎機関」のネーミングセンスは良いですね。なんかほっこりした^ ^