ほにゃがくる

風吹く町でほにゃをなでまわす

ほにゃは膝にすりすりしてくる

ねこじゃらしで顔をくすぐると

ひげが前の方を向く

殺意に満ちた前足が必殺のパンチをくりだすと

私の手のひらに深く爪が突き刺さる

いっで!!

と手のひらについた傷をウェットティッシュで拭いていると

ほにゃは私の手におでこをこすりつけてきた

ごめんなさいのつもりかな

かわいいにゃあ、とまたなでまわす

ごろごろ鳴るほにゃの喉

指先で喉や耳の後ろをくすぐる

目を細めるほにゃ

少し離れてみけが見ている

みけはほにゃが好き

ほにゃは私が好き

だからみけは私が嫌い

そろそろみけに申し訳ない

立ち去ろうとするとほにゃがついてくる

いつもほにゃはついてくる

だるまさんがころんだ

ほにゃが毛繕いをしているうちに

少しずつ遠ざかる

ハッと気づいたほにゃがくる

にゃーと怒ったような顔で鳴く

私はついつい引き返す

こんなことを繰り返して

ようやくほにゃから隠れる

たまに追いかけるほにゃが見えるときもある

私はいつも思う

また会いたいってことが愛なんだ

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