タイトル未定(仮題: いずれ消えゆく表裏一体)
pにゃおんq
第0話「プロローグ」
「エリー!そろそろ撃てるか?!」
「うん、離れて!」
そう聞いて退いた数秒後、目の前にいた魔物の集団に雷槌が落ちる。
強大な魔法攻撃の直撃を喰らった魔物たちは、断末魔を上げながら黒い霧と化し霧散した。
「よし、やったな。お疲れ、エリー」
そう言ってやや茶色がかった細い髪を撫でてやると、ニコニコしながらすり寄ってくる。
「えっへへ、今日もお兄ちゃんの役に立っちゃった〜」
「ああ。まだ数体、近くにいるかもしれないから気をつけて移動するぞ」
エリーは才能ある魔法使いだ。
まだ齢14といった若さ、というより幼さながらにして、大人の魔法使いでさえ皆が皆使えるようなものではない強力な魔法を使える。
先程の強力な雷だって、普通、この歳の子の魔力で発生させられるようなものではない。私だって多少の魔法は使えるが、人間を数分気絶させる程度の電気を武器に纏わせたり、小さな火球を撃ち出したりするくらいである。
「お兄ちゃん、もうすぐ村に着くね」
と、私の左手を握ったまま、エリーは笑顔で言った。
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