第26話
「明日香!危ないよ!」
僕は勝手にどんどんと進んでいってしまう明日香を追いかける。
「えー!いいじゃんか!久しぶりなんだよ?最大限に楽しんでレベルをあげないと!」
「それはごめんやん」
毎日のように明日香と行っていたレベル上げも僕が忙しくなるにつれその頻度を減らしていった。
「いいよ。その代わりに今日は私に付き合ってよね」
「うん。わかったわかった」
僕は楽しそうに笑ってどんどんと進んでいく明日香の後を追いかける。
「そこ曲がった先にゴブリンいるから気を付けてねー」
「今更ゴブリンごときに!」
明日香は曲がった先にいたゴブリン三体を一瞬で射貫く。
日々の努力で明日香のレベルもとうとうレベル10の壁を乗り越え。、レベル10台に。
レベル9から10に上がるのに必要な経験値は他のレベルとは違ってかなり多い。
レベルは上がれば上がるほど次のレベルに上がるのに必要な経験値の量が増えることになるのだが、レベル9から10に上がる時に必要な経験値がレベル30から31に上がる時と同じなのだそうだ。
というわけで、異世界ではようやく初心者を脱却し中堅になれるくらいのレベルに到達したのだ。
それにしても、もうゴブリンではおもらししてくれないのか。
さみしい。
もうあの刺激的で魅惑的なアンモニア臭を嗅げないのか。
仕方ない。
揺れるおっぱいとかすかに漂う汗の匂いで我慢することにしよう。
「あ、見てみて!この家きれいだよ!」
「(。´・ω・)ん?」
僕は明日香が指さした家を見る。
確かにそこにはきれいな家が建っていた。
あれ?
きれいな家なんて残ってたっけ?
上空での確認しかしてなかったから見逃したのか?
というかさっきから悪い予感がこんにちわしてきそうなんだけど。
「お邪魔しまーす」
「あ、ちょ!」
僕がためらっている間に明日香は平然と家の中に入っていてしまう。
「うわっ!」
「どうした!?」
僕は悲鳴を上げた明日香を追いかけ、家の中に入る。
そして悪い予感がこんにちわ。
廊下に不気味に佇むあの異形の化け物。
またこいつか!
こいつは今までのなかで最も見た目的にはまともだった。
人の顔も、触手もない。
「死ね!」
びっくりした明日香がほぼ条件反射で異形の化け物を弓矢で打ち抜いた。
明日香が放った弓矢は異形の化け物を打ち抜き、そして異形の化け物はかけた魔石を残して消滅した。
は?これだけ?
なんの能力もなし?
ほんとなんなんだよ。こいつら。
そしてこいつこんなに弱いのになんで悪い予感が止まらないんだよ。
「それにしてもびっくりしたぁ」
異形の化け物が倒れたことで安心したのか、気が抜けて崩れ落ちる。
「気を付けてね?ここは昔の平和な世界とは違う。命の危険がはびこっているんだよ」
「うん。ごめん。気を付ける」
明日香は素直に謝った。
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